【共同通信杯】クラシックに直結する出世レース ここから飛躍したゴールドシップ、ジャングルポケット、メジロブライトのレースを振り返る
勝ち馬のその後は出世レースのイメージ通り
よく共同通信杯のことを「登竜門」と表すことがある。過去10年の勝ち馬だけをみても、海外のレースも含めると6頭がGⅠホースになっている。 【京都記念2024 推奨馬】パワー型で時計のかかる馬場は歓迎、単勝回収率239%の好データ該当! SPAIA編集部の推奨馬を紹介(SPAIA) 2014年 イスラボニータ 皐月賞 2015年 リアルスティール ドバイターフ 2016年 ディーマジェスティ 皐月賞 2017年 スワーヴリチャード 大阪杯・ジャパンC 2019年 ダノンキングリー 安田記念 2021年 エフフォーリア 皐月賞・天皇賞(秋)・有馬記念 また過去10年の共同通信杯勝ち馬のJRA・GⅠ成績は【8-8-11-36】勝率12.7%、連対率25.4%、複勝率42.9%、単勝回収率160%、複勝回収率89%。単純計算だが勝ち馬の単勝をGⅠで買い続けていれば、プラスだったことになる。 本レースの勝ち馬はクラシックを占うだけでなく、その先のGⅠ戦線でも活躍が期待できる。そこで今回は過去の勝ち馬3頭にスポットをあて、当時の活躍を振り返ってみたい。
2012年ゴールドシップが作った直行便の可能性
2012年までは共同通信杯から皐月賞直行組は勝利歴がなく、ある意味「消し」のローテーションとされていた。このジンクスを打ち破ったのが、ゴールドシップだ。 本馬は2歳時を北海道と阪神で4戦2勝2着2回と連対率100%。今だからこそ、色々なキャラクターで愛されているゴールドシップも、この時点では「スタートは苦手だが確実に末脚を使えるクラシック候補」といった優等生に近いイメージだった。デビュー戦はレコード勝ち、続くコスモス賞も完勝。札幌2歳Sは出遅れて最後方からレースを進めるも馬群を割って2着に入り、ラジオNIKKEI杯2歳Sでは大捲りを敢行しての2着。共同通信杯当日も2番人気に支持された。 レースはここ2戦が嘘のようなスタートをみせ、先団にとりついた。逃げたのは1番人気の東京スポーツ杯2歳S覇者のディープブリランテ。3番手にゴールドシップがつけ、少し後ろにスピルバーグが追走する展開。最初の1000mが62.6秒というスローペースでディープブリランテは楽な手ごたえで逃げていた。 ラスト600mを過ぎたあたりからゴールドシップと初コンビの内田博幸騎手のアクションが大きくなった。しかし、思った以上にスピードに乗らず、逆にディープブリランテやコスモオオゾラ、ストローハットの反応のほうが良さそうに見えた。しかし、ゴールドシップはラスト200mでエンジンが点火すると、前を行く、後のダービー馬ディープブリランテを一気にかわし、翌々年の天皇賞(秋)を制するスピルバーグをも退けた。 エンジンのかかりが遅く、直線の長い東京コースがこの馬には合う。私にはそういう記憶がはっきりと植え付けられた。しかしその後、ゴールドシップは日本ダービー2番人気5着、2013、2015年ジャパンCで2番人気15着、2番人気10着と、一度も東京では馬券に絡まず引退するとは、当時の私には全く予想できなかった。