【宝塚記念】雨予報で道悪必至!馬場悪化で浮上する馬は…? 各陣営の道悪関連コメントも参考に
上半期を締めくくる宝塚記念(G1、芝2200メートル、23日=京都)の枠順が20日、確定した。13頭立ての激戦を解く鍵は毎年、この時期の競馬を難しくする「天気」と「馬場状態」だ。今年も決戦当日は雨予報で道悪が濃厚。となれば、浮上するのは(12)ブローザホーン(牡5、吉岡)だ。 【写真】逃げ馬不在!取材で導き出したハナ候補 ◇ ◇ ◇ 今年の宝塚記念は“嵐の予感”だ。京都地方の週末の天気予報には傘マークが並ぶ。春のグランプリだけに力と力のぶつかり合いも見たいが、天候ばかりは仕方なし。各馬の道悪適性が勝敗を大きく左右しそうだ。そんななか、レースで嵐を巻き起こしそうなのは、天皇賞・春2着から参戦のブローザホーンだ。 戦歴を見ると、芝のやや重~不良では【4 1 2 3】。まず道悪の経験が非常に多く、4着以下の3回も未勝利時代が2回、心房細動での競走中止が1回という内容だ。昨夏の札幌日経オープンでは、洋芝のやや重という力のいる舞台で6馬身差の圧勝。昨年5月の烏丸S(3勝クラス、京都芝2200メートル)は不良で5馬身ちぎった。重賞でも、やや重だった昨年の函館記念、今年の阪神大賞典で3着に入っている。 吉岡師に道悪適性の理由を聞くと「生まれ持ったものだと思います。体は大きくないのですが、体幹の強さがありますね」と分析する。420キロ台の馬体は、今回の出走馬の中でもひときわ小さい。それでも類いまれな体幹力と持ち味の持続力に秘密があるという。 「坂路の調教でもラスト11秒台が出ないように瞬発力勝負では分が悪いかもしれませんが、とにかく長くいい脚を使えます。調教の乗り手も『ラスト1ハロンの勢いでずっと走り続けられる』と言うんです。馬場が渋れば時計がかかるので、瞬発力を武器としている馬はマイナスでしょう。そこで、他馬が苦にする分、この馬にはマイナスが少ないということではないでしょうか」 今回、上位人気が予想される馬には切れ味を身上とするタイプが多い。天も馬場も、ブローザホーンに味方するかもしれない。 <各陣営の道悪関連コメント> (1)シュトルーヴェ(レーン騎手)癖がなく素直さ、一生懸命さを感じる。トリッキーなところがない馬だと感じた。調子の良さも確認できたし、しまいの脚をゴールまでしっかり見せてくれる。 (2)ジャスティンパレス(杉山晴師)道悪はほぼ未経験で、正直なところ未知数。ものすごくフィットするイメージはない。 (3)ベラジオオペラ(上村師)スプリングSも重馬場で勝っているし、ある程度の重い馬場なら十分にこなせると思う。良馬場ならさらにいいけど。 (4)ドウデュース(友道師)日本で道悪のレースを走ったことはないけど、こなせると思う。 (5)ディープボンド(幸騎手)雨は大丈夫かなと思う。切れ味勝負というよりは。 (6)ヒートオンビート(友道師)馬場が渋ると嫌がるので良馬場でやりたい。 (7)プラダリア(池添師)パンパンの馬場だと一線級相手ではどうしても切れ負けする。持続力があってスタミナもあるので。渋った馬場の方が一発あると思う。 (8)カラテ(岩田望騎手)馬場が悪くなったら面白いと思う。 (9)ソールオリエンス(横山武騎手)皐月賞の時に馬場が悪くても勝っていますし、こなしてくれるんじゃないかなと思っています。 (10)ローシャムパーク(戸崎騎手)中山の走り(スピカS5着=重)が印象としては残っている。でも函館記念(1着=やや重)もそんなにいい馬場ではなかったので。ある程度だったらこなしてくれると思う。 (11)ヤマニンサンパ(団野騎手)前回は速い馬場に対応できたので悪い馬場になってどうかだけど、他の馬が苦にするならいいと思う。 (12)ブローザホーン(吉岡師)馬場が悪くても走りがぶれない。調教でも重い馬場を走るのは上手。京都の道悪でも勝っているし、タフな馬場状態になるようならこの馬に合うと思う。 (13)ルージュエヴァイユ(黒岩師)距離はぎりぎりかなと思う部分はあるので、あまり渋りすぎるのもどうかという不安はありますが、精神力で乗り越えてくれると期待しています。 ◆23日日曜の京都競馬場周辺の天気予報 京都地方気象台の20日午後5時発表の予報は「曇り時々雨」。降水確率は80%。前日22日土曜も「曇りのち雨」で同60%と降雨が予想されており、宝塚記念が道悪開催となる可能性はかなり高そうだ。 ◆06年宝塚記念VTR 舞台は京都芝外回り2200メートル。天候は雨、芝コースはやや重の発表だった。ハナを切ったのは9番人気バランスオブゲーム。単勝1・1倍の圧倒的1番人気ディープインパクトは13頭立ての後方2番手に控えた。 1000メートル通過は60秒2。各馬が消耗していく中、ディープは向正面から徐々に進出。直線は大外から上がりダントツ34秒9の脚で4馬身差の圧勝を飾った。勝ち時計は2分13秒0。 2着は中団から差したナリタセンチュリー。3着にはバランスオブゲームが粘った。2、3着馬はともに重馬場でG2勝ちのあった道悪巧者だった。