【広島好き】矢野雅哉のランニングホームラン。カープとマツダスタジアムで過去の記録を調べてみた
当時は、旧市民球場から大幅に広くなったマツダスタジアムで、赤松真人とともに快速の外野手として新球場の象徴的存在だった天谷ですが、この日はカープとしては珍しいオールドユニフォームを着用した試合で、1975年の初優勝時のスタイルでのスタジアム初の快挙達成となりました。
カープ以外の選手では、2017年に上本崇司の実兄である阪神・上本博紀が記録。投手は中田廉で、レフト松山竜平が打球を追ってフェンスに激突し、クッションボールが大きくセンター方向へ転がる間のものでした。オープン戦では2020年に福岡ソフトバンクの周東佑京がコロナ禍に入った無人のスタンドで、自慢の俊足を飛ばしてダイヤモンドを一周しています。
そしてもう1本、今となってはある意味、感慨深いランニングホームランがありました。2018年11月に行われた日米野球で、侍ジャパンの代表として出場していた当時、埼玉西武所属の秋山翔吾が、MLB選抜を相手にレフト線を抜けるランニング本塁打を放っています。
この試合は、当時ロサンゼルス・ドジャースに所属していた前田健太の凱旋試合として話題となっており、大瀬良大地との先発対決が実現しました。
秋山のランニング本塁打は2点ビハインドの8回で、投手はコリン・マキュー(当時アストロズ)、レフトのファン・ソト(当時ナショナルズ)のダイビングも届かず、打球がフェンスまで到達する間に激走。ダイヤモンドを1周してホームベースを駆け抜けた秋山を出迎えたのは、4年後にチームメイトになる菊池涼介でした。
野球の数あるプレーの中でも、もっともスリリングなものであるランニングホームラン。俊足の選手が多いカープなら、もっと見たいプレーと言えるでしょう。
文:大久保泰伸
大久保泰伸