UKの新星、ザ・ラスト・ディナー・パーティーの「Maximalism」――「躊躇なく、やりたいことを全部やる」
ジョージア:実はあの曲では、実際にオリジナルのゴジラの映画のサンプリングを使っていて。ただ、コピーライトの問題でいろいろあって(笑)、正式な曲名がつけられなかったんです。なんて言ったらいいんだろう?……すごくクレイジーな曲というか、だってゴジラでしょ? 巨大な怪獣だから(笑)。
――TLDPのテイストには「ゴシック」という要素があると思いますが、もしかして日本の特撮映画も好きだったりするのかな?と。
ジョージア:(笑)実は、日本の映画、特にホラー映画が大好きなんです。「HOUSE ハウス」とか、「リング」みたいな(と、うつむいて手を伸ばして、TVからはい出してくる貞子のマネをする)。
――(笑)。TLDPのクリエーションにはさまざまなアートやカルチャーのリファレンスが散りばめられていますが、2人の感性に引っかかる日本のアートやカルチャーってありますか。
ジョージア:日本には素晴らしい文学作品がたくさんあって、カズオ・イシグロは大好きな作家の一人です。それに、(日本語で)ニホンノオンガクガスキデス(笑)。おとぼけビ~バ~は最高。あと、羊文学っていうロック・バンドも好きです。
リジー:私はジャズが大好きで、だから日本のニュー・ジャズ、ビッグ・バンド・ジャズに興味があるかな。
――ちなみに、今回の来日で楽しみにしていたことって何かありますか。
ジョージア:ショッピングかな。街を歩くのも楽しみだし……この暑さだと大変そうだけど(笑)。それと、日本の食べ物は本当においしいから楽しみ!
リジー:でも、やっぱりライブかな。「フジロック」はもちろん、今夜のショーも楽しみ!
TLDPのマニフェスト
――TLDPを結成するに当たって、ジョージアさんはアビゲイル(・モリス)さんと2人で、自分たちのビジョンを詳細に記したマニフェストのようなものを書いたそうですね。
ジョージア:はい。バンドをやろうって思った時から、「バンドとして何を表現したいのか?」についていろいろと考えていたんです。パブでワインを飲みながら、お互いのアイデアを大声で言い合ったりして(笑)。それで2人でノートを買って、思いつくままに書き留めるようになったんです。自分たちが好きな響きの言葉とか、「白昼夢を想像させるようなバンドをやるとしたら、どんなサウンドやビジュアルだろう?」、「何を象徴するバンドにしたいのか?」とか。まあでも、その時は酔っ払っていて、実現不可能なアイデアもたくさんあったけど(笑)、でもあのノートがTLDPの原点になったのは間違いない。あれは運命的な夜だったと思うし、あの時、私たちは2人で、自分たちの音楽の未来を描いたんです。