なんと3人に1人が該当!不調を招く「脂肪肝」は食べ方で改善できる?専門医が解説
「なんとなくダルい」「風邪が治りにくくなってきた」そんな体の不調を感じている人は、もしかしたら脂肪肝かも!?実は、成人の3人に1人は脂肪肝で、肝機能の低下によって色々な不調が起こるのだとか。そこで今回は、肝臓の専門医である尾形哲医師による著書『専門医が教える 1分で肝臓から脂肪が落ちる食べ方決定版』(KADOKAWA)から、脂肪肝を改善する食事法について少しだけお届けします。 ◇ ◇ ◇
あなたの体調の悪さ、もしかして脂肪肝が原因かも!?
「肝臓は沈黙の臓器」。実際、肝機能がある程度低下していても、実感できる症状はほとんど表れません。暴飲暴食や不規則な生活が続いても、食べ物から吸収された栄養素をエネルギーや必要な物質に変え、体内に入ってきた有害物質や薬物を分解・無害化し、体内の血液の一部を貯蔵したり出血時の止血に作用したりと、生命を維持する働きを続けるのです。
肝臓が血中に余計なものを増やすまいとがんばる結果、自らの細胞に脂肪をためこみます。これが「脂肪肝」で、成人の3人に1人は脂肪肝だと推計されています。自覚症状はほとんどなく、血液検査のALTという肝機能を調べる項目が30を超えていたら注意です。
体重を7%落とせば、肝臓は20代に若返る!
肝臓は3分の2を切除しても元の大きさに戻ることができる“再生力が高い臓器”。 だから肝臓から余計な脂肪を落とすこともできます。それには、“体重を減らす”のがポイント。今の体重の約7%を減少させると、脂肪肝が改善することが示されています。 現在の体重が60kgなら、60(kg)×7(%)=4.8(kg)減らせれば、脂肪肝は改善します。 肝臓は若さを維持できる臓器でもあります。脳死肝移植の手術で、80代の人の肝臓を50代の患者さんに移植したことがあります。その後40年間にわたって働き続ける可能性が見込まれているからです。 体形は20代に戻れなくても、肝臓は20代に戻れるのです。
肝臓から脂肪が落ちる! 今日からできる「食べ方の工夫」その1
■ご飯、パン、麺などの主食は半分の量に! 脂肪肝になる最大の原因は“糖質”です。 糖質はおもに米、パン、麺、果物などの食品に含まれています。体内ではブドウ糖に分解され、血液を通じて全身に運ばれ、細胞のエネルギー源として利用される大切な栄養素。しかし糖質が過剰に摂取されると、エネ ルギーとして使いきれなかった余剰の糖は中性脂肪として蓄えられることに。 中性脂肪が肝臓に蓄積すると、“脂肪肝が進行する”わけです。てっとり早く食事をしようとすると、丼ものやサンドイッチ、うどんなど、糖質メインの食事になりがちです。こうした食事が習慣化することで、肝臓に脂肪が増える人が増えているのです。 糖質から必要なエネルギー量を確保しつつ、肝臓に脂肪を増やさない糖質摂取量は、1食で20~40g。1日のトータルは130gを上限にしましょう。 主食で考えると、1食当たりのご飯の目安量は70gです。茶碗1杯でご飯150gなので、茶碗の半分ほど。この量を守れば、主食から摂取する糖質量が25gほどで、おかずを十分にとっても、糖質量が増えすぎません。