2024年版 ガソリンが世界一高い国/安い国 20選 なぜ違いがあるのか背景も紹介
ベネズエラ:0.035ドル(約5.5円)
南米最大の石油埋蔵量を誇るベネズエラは、1970年代から1980年代にかけて国営石油会社が精製設備に投資してきた。その結果、ガソリン価格は1Lあたり3セント強となり、一般的な乗用車であれば1ドル未満で満タンにできる。 しかし、汚職が国内のインフラに打撃を与えているため、このように多額の補助金が支給されている状況であっても、ドライバーはなかなか恩恵を受けられない。
リビア:0.031ドル(約4.9円)
リビアもまた、膨大な石油埋蔵量のおかげでガソリン価格が非常に安い国である。石油の輸出で莫大な収益が得られるため、リビア政府は国内の燃料価格を非常に低く抑えている。 一方、送電網が整備されていないため発電機の需要が高く、その燃料となる軽油は割高だ。リビアでは軽油はガソリンより約50%高い。
イラン:0.029ドル(約4.5円)=世界で最も安い国
イランは膨大な量の石油を埋蔵しており、その大部分を中国に輸出しているが、最近では自動車向けのガソリンの多くを輸入に頼っている。この輸入燃料のコストはイラン政府によって相殺され、1Lあたりの価格は3セント以下となる。近隣の産油国よりはるかに安く、政府が値上げや補助金の削減を行おうとした際には、激しい抗議デモが相次いだ。 また、イランでは国内用に精製できる原油の量と高まる消費者需要との間にギャップが広がっている。そのため政府に対して補助金を削減し、燃料価格をコストに見合ったものにするよう圧力がかかっている。しかし、少なくとも今のところ、イランのガソリンは世界で最も安い。
林汰久也(執筆) 林汰久也(翻訳)