【広島好き】カープ、九里亜蓮と矢崎拓也が移籍。現役ドラフトで山足達也と鈴木健矢を獲得
2023年には不振の栗林良吏に代わってクローザーを務めるなど、54試合登板で24セーブとブルペンの顔的存在となりました。今季は26試合登板とやや数字を落としていますが、慶應義塾大学出身の矢崎にとって、新天地となる東京ヤクルトの本拠地である神宮球場は慣れ親しんだ場所でもあり、投手事情の厳しい同チームでは救世主的存在になる可能性もありそうです。
その一方で、現役ドラフトではオリックスから山足達也内野手、北海道日本ハムから鈴木健矢投手の2選手を獲得しています。山足は今季プロ7年目の31歳。本職はセカンドですが、内野ならどこでも守れる万能タイプの選手です。
規定打席に到達したシーズンはありませんが、7年間通算283試合出場でわずか5失策、守備率.991。2021年4月にサードで失策してから、24年5月にセカンドで失策するまで、3年以上ノーエラーと堅実な守備を誇る選手です。通算打率.195という打撃さえ向上すれば、菊池涼介や矢野雅哉とは違った意味での『守備の名手』として一軍での戦力になるかもしれません。
鈴木は今季プロ5年目の27歳。通算成績は75試合登板で8勝6敗4ホールド、防御率3.37。入団2年目まではリリーフでしたが、3年目のシーズン途中から先発でも起用されるようになり、今季は24登板のうち12試合で先発して自己最多の6勝をマークしています。先発、リリーフいずれもOKで、セ・リーグでは希少なアンダースローの変則派右腕は、環境が変わって大化けする可能性もありそうです。
現役ドラフトで、1球団が2選手を指名するのは史上初の出来事で、これも新井監督の言う『変革』のひとつなのかもしれませんが、自チームから2人目が指名されなかったことは想定外でもあったようです。
九里のFAでオリックスから補償選手を獲得することが可能ですが、現時点で支配下登録数は68人で、残り2人分しか空きがなく、選手ではなく金銭を選ぶ可能性もありそうです。このまま目玉の補強がないまま、2024年が終わってしまうのか。年末の仕事納めの日までに何か動きがあるか、注目したいところです。
文:大久保泰伸
大久保泰伸