トランプ氏の控訴棄却 性加害と名誉毀損巡る民事訴訟 NY連邦高裁
トランプ次期米大統領による性被害を主張する女性コラムニスト、ジーン・キャロルさんが、トランプ氏を名誉毀損(きそん)で訴えた民事訴訟で、ニューヨークの連邦高裁は30日、同氏に500万ドル(約7億8000万円)の支払いを命じた地裁評決を支持する判断を下した。 高裁は「地裁が誤りを犯したことを証明していない」などとして、トランプ氏側の控訴を棄却した。米メディアによると、キャロルさん側の代理人は声明で「決定に満足している」と述べた。 これに対して、トランプ氏の広報担当者は声明で米国民は「司法制度を政治的な武器にすることや魔女狩りの全てを即座に終わらせることを求めている」として、連邦最高裁に上訴する考えを示した。 地裁の陪審は2023年5月、1990年代にトランプ氏によるキャロルさんへの性的虐待とそれに関連した名誉毀損があったと認め、500万ドルをトランプ氏に支払うよう命じる評決を下した。トランプ氏は、キャロルさんと会ったことはないなどと否定し、控訴していた。 キャロルさんはもう一つの民事訴訟でもトランプ氏を名誉毀損で訴え、ニューヨークの地裁の陪審は24年1月、トランプ氏に8330万ドルの支払いを命じる評決を下した。トランプ氏は控訴している。【ニューヨーク中村聡也】