【高校ラグビー】京都工学院がBシード撃破 「タックルファイト」発動で接戦を勝ちきる
<全国高校ラグビー大会:京都工学院15-7中部大春日丘>◇2回戦◇30日◇大阪・花園ラグビー場 全国制覇を4度した伏見工の流れをくむ京都工学院(京都)が、Bシードの中部大春日丘(愛知)を破って3回戦進出を決めた。 0-0で折り返し、後半5分のペナルティーゴール(PG)で京都工学院が先制しながら、同8分に中部大春日丘がトライとキックで逆転する一進一退の戦い。同13分と22分に京都工学院フッカーの川口士央(しおん=3年)が連続トライを決めて、ようやく優勢となった。 そこからノーサイドまでの8分間は、京都工学院が1年間積み上げてきた粘りを発揮する時間となった。 残り時間を確認した主将の広川陽翔(はると=3年)が、チームメートに声をかけた。「ここは練習でやった。タックルファイト、いくぞ」。練習の最後10分間、ひたすらタックルをやり続ける伝統の「タックルファイト」。厳しいメニューをこなしてきた自負が、魂のディフェンスにつながった。緊迫した展開だったが、大島淳史監督(42)は一連の場面を安心して見守った。「我々が接戦を勝ち抜こうと思うと、本当に最後の10分間にどれだけ相手より体を張れるか、タックルし続けられるかが大事。それはこのチームでずっと伝えているし、それを想定した練習に頑張って取り組んできた。ああいう展開になった時に、僕としてはやってくれるだろうと思って見ていました」。最後まで止まらない怒濤(どとう)のタックル。5月の練習試合で1トライ差の敗戦を喫していた相手からの勝利は「最後は気合です」という川口の言葉通りの戦いぶり。仕掛けるよう声をかけた広川も「厳しい練習の最後にやるから本当にきついけど、本当にやってきて良かった」と胸を張った。 伏見工から京都工学院に、校名は変わったが、伝統は受け継がれている。3度目の全国制覇をした00年度に主将を務めた大島監督は「赤黒ジャージーでやらなければいけないことは変わらない。ひた向きに体を張ることが1番。応援してくださる皆さんを喜ばせることをやりきってくれているのは、本当にいいこと。このままもう1度しっかり準備して、準々決勝にいきたい」。元日に行われる3回戦の相手は国学院栃木(栃木)。次もBシードの難敵相手となるが、「伏工魂」を感じさせる熱い集団が、まだまだ花園を盛り上げる。【永田淳】