「使っていないのに突然発火」した例も…モバイルバッテリーの発火を防ぐために気を付けたい3つのこと
◆モバイルバッテリーの発火を防ぐための注意点
モバイルバッテリーの発火を防ぐには、大きく3つの点に注意する必要があります。
▼注意点1. 使い方
先にも触れた通り、モバイルバッテリーに強い衝撃を加えたり、水没させたり、熱い場所に放置したりしないこと。モバイルバッテリーはコンパクトで手に持って使用することも少なくないので、とりわけ落下や水没などには注意しましょう。
▼注意点2. 劣化したモバイルバッテリーを使わない
経年劣化したバッテリーを使い続けるのも出火要因となりやすいので、定期的に買い替えることをおすすめします。 モバイルバッテリーは一般的に、100%まで充電した回数が300~500回程度に達すると寿命を迎えます。使い方によって幅はあるものの、年数でいうと1~2年くらいとされています。 「以前と比べ充電できる量が減ってきた」「充電時に熱を持つようになった」「本体が膨らむなどして形が変わってしまった」といった事象は劣化のサインです。利用をやめて処分し、新しいものに買い替えましょう。
▼注意点3. 購入先
現在では多種多様なメーカーがモバイルバッテリーを提供していますが、とりわけECサイトで販売されているものの中には品質が悪いものも存在します。そうしたモバイルバッテリーを購入して発火してしまった、という事例もあるようです。 それゆえモバイルバッテリーを購入する際には、国内でサポートしているメーカーの製品であること、電気用品安全法に基づいた製品であることを示す「PSEマーク」が付いていることなどを確認しましょう。 加えて、将来モバイルバッテリーを処分することを考えるなら、一般社団法人JBRCに加盟しているメーカーのものを選ぶべきでしょう。JBRCはモバイルバッテリーなどのリサイクルを推進する団体で、加盟メーカーや回収協力店などの情報をWebサイト上で公開しています。
◆もし発火したらどのような行動を取るべきか
もちろん、これらの対策を取ってもモバイルバッテリーが発火する可能性はゼロではありませんし、電車内などで他人のモバイルバッテリーが発火する現場に遭遇する可能性も考えられます。 そのような場合、私たちはどのような行動を取るべきなのでしょうか。 東京消防庁の報道発表資料を見ると、万が一発火した場合は『電池から火花の飛び散っているときには近寄らず、火花が収まってから消火器や大量の水で消火するとともに119番通報してください』と記されています。 また鉄道各社のWebサイトなどを参照すると、電車内で火災が起きたときの一般的な対応は ・火災から身を守るべく、火元から離れた車両に移動すること ・非常通報装置で乗務員に知らせ、車内に設置された消火器で初期消火すること となっています。 慌てずに避難と連絡、初期消火という火災発生時の基本対応に沿った行動を取ることが重要だといえそうです。 <参考> ・報道資料「リチウムイオン電池搭載製品からの出火が過去最多」(東京消防庁) ・報道資料「リチウムイオン電池及び充電器の使用に関する注意 」(独立行政法人国民生活センター) ・電気用品安全法(経済産業省) ・一般社団法人JBRC
佐野 正弘( 携帯電話・スマートフォンガイド)