決勝目前! なでしこが連覇するための3つのポイント
サッカー女子ワールドカップ(W杯)カナダ大会で日本代表「なでしこジャパン」が連覇に王手を懸けた。相手は、前回大会決勝でも顔を合わせた米国で、その時はPK戦の末に日本が勝利。過去、米国との対戦では1勝(90分勝利)しかしていない日本にとって圧倒的に分が悪い相手でもある。今回は、連覇へ向けて米国戦勝利のポイントをデータから予測したい。
前半の日本、後半の米国
日本の勝利への近道を探る上で、まずは両チームのここまでの戦いぶりを振り返ってみたい。 両チームの時間帯別の得失点を表1にまとめた。比較してみると両国の対照的な戦いぶりがうかがえる。日本が前半に得点することが多いのに対し、米国は後半に集中している。日本のここまでの戦い方は前半に奪った得点を堅守で守り抜くスタイル。それだけに、後半におとずれると思われる米国の猛攻をしのげるかが1つポイントになりそう。 そして、日本の課題ともいえるのが終了間際の失点。フィジカルで勝る米国だけにビハインド状態なら終了間際のパワープレーは要注意だろう。最後まで集中力を維持する上でも、勝った状態で澤穂希をグランドに送れる状況を作り上げたい。
攻守両面で試合を分けそうなファウル
次は、攻守両面について詳細を見ていきたい。攻撃に関しては表2から分かるように、ともに9点ずつ(流れ:7点、セットプレー:2点)挙げており、全くの五分といえそう。しかし個人のシュート精度(表3)では大きな差が出ている。 出場時間の多い選手たちのシュート精度の差は一目瞭然。米国選手のシュート精度が高い一方で、日本選手が軒並み低くなっている。それぞれ12本のシュートを放っている両国エース間でも明暗が分かれていて、米国エース・ロイドが枠内50%(3得点)なのに対し、大儀見は16.7%(1得点)。チーム枠内シュート率でも米国に大きく差をつけられており、今の日本には個人のシュートからの得点はあまり期待できそうにない。 では守備面はどうだろうか。表2から米国攻略のヒントが得られた。それがファウル数だ。日本が58回なのに対し米国が74回で今大会中ワースト。日本はベスト4入りしたチームでは最少、ベスト8の中でも下から3番目に少ない数字となっている。ファウルをすると相手にFKが与えられるわけだが、両チームともに宮間、ラピノーといった名キッカーを擁するだけに、ファウルで得たFKが勝敗を分ける2つ目のポイントとなりそうだ。