井上一樹新監督のガッツポーズに"竜の明日"を見た!ドラフト大成功2つの成果
巨人にも阪神にもDeNAにも勝った!
今回の抽選に勝ったことの意義は、4球団による競合だったことはもちろんだが、他の3チームが、同じセ・リーグだったことが大きい。リーグ覇者の讀賣ジャイアンツ、1年前の日本一チームの阪神タイガース、そして、巨人を破って日本シリーズに出場した横浜DeNAベイスターズ、いずれも監督が抽選の場に立ち、その中で井上監督が"勝った"のである。 とても気が早いのだが、ついついそれを来季の前哨戦と位置づけてしまう。今回の金丸投手の指名権獲得が竜にもたらした2つ、「戦力補強の成功」と「チームの勢いと存在感アピール」まさに、意義のあるドラフトだった。
金丸指名で来た流れ
ドラフト指名に正々堂々と真正面から勝負をするチームに、これまでも"野球の神様"は微笑んできた。ドラゴンズが、最もほしかった金丸投手を1位指名して抽選に立ち向かい、見事に指名権を得たことで、続く2位以下の指名も、実にうまく進んだと思う。 2位指名の西濃運輸・吉田聖弥投手は、金丸投手と同じ左腕であり、外れ1位の候補にも挙がっていた好投手である。さらに驚いたのは、社会人ではナンバーワン捕手と言われる日本生命の石伊雄太捕手を4位で指名できたことだ。即戦力投手に続き、「キャッチャー」の獲得は、このドラフトの課題だっただけに、2つどころではない、大きな成果が増えた。
指名の全8選手がリスト入り
今回ドラゴンズは、6人の選手を指名した。さらに育成ドラフトで2人を指名した。雑誌『週刊ベースボール』は、毎年ドラフト直前に特集を組み、「ドラフト候補100選手」をカラー写真と共に紹介する。ドラゴンズが指名した8選手は、すべてこのリストの中で紹介されているのである。それほどの逸材揃いの指名成功、かつてなかったほどである。 これも、すべては「金丸投手指名」によって"扉"が開いたためだと信じたい。井上新監督とスカウト陣のコミュニケーションもうまくいったのであろう。こんな嬉しいドラフトならば、井上監督に何回脱臼してもらってもいいとすら思った。 井上監督は交渉権を獲得した直後のインタビューで、金丸投手の名前「夢斗」について触れて「一緒に夢をかなえましょう」と呼びかけ、「迎えに行きます!以上!」と力強くメッセージを送った。この言葉は間違いなく金丸投手の心に届いたはず。新監督としての魅力を発揮できたことも、今回のドラフトの追加の成果だった。 【CBCマガジン専属ライター・北辻利寿】 ※中日ドラゴンズ検定1級公式認定者の筆者が"ファン目線"で執筆するドラゴンズ論説です。著書に『屈辱と萌芽 立浪和義の143試合』(東京ニュース通信社刊)『愛しのドラゴンズ!ファンとして歩んだ半世紀』『竜の逆襲 愛しのドラゴンズ!2』(ともに、ゆいぽおと刊)ほか。CBCラジオ『ドラ魂キング』『#プラス!』出演中。
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