保護司殺害「誇れる生き方を」支援受け誓う男性、「身内殺められた気持ち」迷いも生まれた保護司仲間…それぞれの思い
「彦根保護区」の保護司会長、平田敦之(あつし)さん(62)は「身内をあやめられたような気持ちになり、一時は更生保護活動に迷いも生まれた」と打ち明ける。
平田さんは、県更生保護事業協会の事務局長だった新庄さんと酒を飲みながら語り合う仲だった。外部との連携策について相談すると、新庄さんは「何とかなりますよ。一緒にやりましょう」と協力してくれたという。「真剣に考え、思いを実現するために骨を折ってくれた」としのぶ。
平田さんにとって、親しい人が被害に遭うのは今回の事件が初めて。被害者側の苦しみを考えると加害者を支援する活動に迷いを感じた時もあったが、「同じことが起きてはいけない」と自らを奮い立たせた。
「新庄さんは命の全てをかけ更生保護施策を見直せと世に伝えてくれた。今こそ 萎縮 いしゅく せず、さらなる一歩を踏み出すべきだ」
事件から1か月後、保護司ら約50人が集まった大津市での研修会でそう訴えた。この場に立ったのも、新庄さんから「他の地区の刺激に」と活動内容を紹介するよう頼まれたからだった。
平田さんは「更生保護は加害者だけでなく、新たな被害者を生まないための活動だ。これから起きる犯罪を防いでいく」と強調する。