“紀州のドン・ファン”元妻の「あのタイミングで死んだせいで」の怨み言に野崎氏の腹心が「いかにもあのコらしい」
■ 「遺産がもらえるまで時間がかかるから“面倒”という感じ」 検察「(野崎氏が)死んだのを知った時の感情は?」 【写真9点】須藤早貴被告、野崎氏と出会った頃から野崎氏が亡くなるまでの表情の移ろいを振り返る 早貴被告「悲しかったかどうかですか? 死体見たのが初めてだったからびっくりして」 検察「喜怒哀楽でいうと?」 早貴被告「どちらかというと『無』ですかね」 検察「おカネ関係で喜怒哀楽は?」 早貴被告「もらえるまで時間がかかるから、喜怒哀楽では“面倒”という感じです」 11月15日、「紀州のドン・ファン殺人事件」で殺人などの罪に問われている元妻・早貴被告の3回目の被告人質問が和歌山地裁で行われ、早貴被告は元夫・野崎幸助氏の遺体を発見した当時のことを聞かれて、このように答えた。やはり2人の関係は、一般的な「夫婦関係」とはかけ離れた無機質なものだったことを浮き彫りにするような言葉だった。 被告人質問が始まってからの公判は、回を重ねるごとに傍聴希望者の数は増えている。それもこうした早貴被告の“言いたい放題ぶり”に世間が関心を寄せているからなのかも知れない。
■ 愛人とはセックスできていた野崎氏、性行為に覚醒剤が必要だったのか 事件は2018年5月24日、「紀州のドン・ファン」と呼ばれていた和歌山県田辺市の資産家・野崎幸助氏(享年77)が自宅2階の寝室で覚醒剤の大量摂取で怪死していたことが発見されたことで始まった。それから約3年が過ぎた21年4月21日に妻の早貴被告が殺人など容疑で逮捕・起訴された。 2人が入籍したのは18年2月のこと。野崎氏は3度目の結婚、早貴被告は初婚で、55歳の歳の差婚だった。彼女が入籍の事実を知人らに知らせていなかったのは、愛情も無い遺産目当ての結婚であったためだということが、今回の裁判で被告自身が明確に認めている。 公判は今年の9月から始まり28人もの証人が法廷で証言した。最後に3回の被告人尋問が残され、冒頭の発言が飛び出した11月15日が最後の回だった。 この2カ月に及ぶ検察側と早貴被告側との攻防について、傍聴を続けた司法記者は次のように感想を述べる。 「検察側は彼女が野崎氏と入籍前から『完全犯罪』『老人死亡』などの検索ワードを使用していたことを明らかにしていました。そして、野崎氏が自殺した可能性が無いことを立証しようと多くの証人に供述させ、それはある程度成功したと思います。 また、覚醒剤の入手方法についても、売人を出廷させて被告が田辺市内の自宅近くで購入したことを認めさせました。ただ、これについて早貴被告は、野崎氏がセックス時に勃たないことで被告に対して『覚醒剤を購入して欲しい』と依頼したものだと証言しています。 それに対して検察は、野崎氏の長年の愛人であった大阪の女性(JBpe ressでは「菜々ちゃん」と記してきた女性)を証人に呼び、『(私とであれば)社長とはセックスは出来ていました』『勃たせることはできました』『精子も出ました』といった赤裸々な証言を引き出しました。野崎氏は勃たなかった、だから覚醒剤の力を借りようと本人が購入を希望したという早貴被告が主張するストーリーを否定するためです。