【小倉記念】レースとコースの傾向を分析 浮上したのは鳴尾記念組ディープモンスター
小倉記念のデータからディープモンスター
サマー2000シリーズ七夕賞好走馬は新潟記念に回る予定で、ここには5着リフレーミング、6着レッドランメルトが出走する構え。福島牝馬Sを勝ったコスタボニータあたりが人気の中心だろうか。 前走距離は2000m【25-25-28-242】勝率7.8%、複勝率24.4%、2000m超【16-12-14-160】勝率7.9%、複勝率20.8%がいい。最後に坂が待ち構えるコースらしく、2000m以上から距離短縮でここに回ってくる馬が狙いだ。 前走2000mでは中京と同じ左回りが【14-13-15-100】勝率9.9%、複勝率29.6%で、右回り【11-12-13-142】勝率6.2%、複勝率20.2%を上回る。さらに単複回収値は左回り233、125、右回り61、67。配当を伸ばしたいなら、前走左回り2000mから中京芝2000mに挑む馬に狙いを定めたいが、該当馬はいない。ただ、七夕賞組など右回り経由も決して悪いわけではなく、上位人気なら味方につけるべきだ。 前走2000m超からの距離短縮組は右回り【13-8-11-102】勝率9.7%、複勝率23.9%、左回り【3-4-3-58】勝率4.4%、複勝率14.7%と2000mとは逆に右回りの成績がいい。単複回収値も右回り156、76。不思議なもので、短縮は右回りに分がある。しかし右回りの短縮組もいない。昨秋の新潟牝馬S1着以来のメモリーレゾンは左回りで好走しているが安易に飛びつけない。中京芝2000mはローズS5着こそあるが未勝利。昨年10月以来なので前走とのつながりは関係なさそうだが、気にしておこう。 最後にコースデータではなく小倉記念の傾向を少し。小倉記念過去10年間のデータをみると、七夕賞【2-0-3-30】勝率5.7%、複勝率14.3%より鳴尾記念【3-0-1-5】勝率33.3%、複勝率44.4%やマーメイドS【1-0-2-2】勝率20.0%、複勝率60.0%がいい。元来、小倉記念はサマー2000シリーズ突入のひとつ前の開催の重賞に注目すべきレースだ。ただし、今年は平坦ではないので、平坦な京都開催だったマーメイドS経由の牝馬は少し割り引いた方がよさそうだ。同じく京都開催でも鳴尾記念5着ディープモンスターは前走3番手から粘って京都芝2000mを1:57.5で乗り切った。休養明けを使い、さらなる上昇カーブも見込める。楽しめそうだ。 ライタープロフィール 勝木 淳 競馬を主戦場とする文筆家。競馬系出版社勤務を経てフリーに。優駿エッセイ賞2016にて『築地と競馬と』でグランプリ受賞。主に競馬のWEBフリーペーパー&ブログ『ウマフリ』や競馬雑誌『優駿』(中央競馬ピーアール・センター)にて記事を執筆。Yahoo!ニュースエキスパートを務める。『キタサンブラック伝説 王道を駆け抜けたみんなの愛馬』(星海社新書)に寄稿。
勝木 淳