日持ち良し!おしゃれに草っぽい花「アルストロメリア」を飾るコツをプロが解説!
プロに聞く!花を最後まで楽しむテクニック
初夏の花「アルストロメリア」をお部屋に取り入れませんか?「花を知り、楽しむ」がコンセプトの第一園芸のWEBサイト・花毎(はなごと)の連載で「二十四節気の花あしらい」を担当する谷中直子さんに、アルストロメリアの飾り方・楽しみ方を伺います。
バリエーション豊富な「アルストロメリア」
アルストロメリアは南アメリカ原産。別名「インカのユリ」や「ユリズイセン」とも呼ばれる花で、60~100の野生種が分布しています。 日本では1980年代以降に栽培が盛んになり、切り花や花壇苗として多く出回るようになりました。 花色はパステルカラーやシックな色など、カラーバリエーションが豊富です。花びらの一部に他色の色が混じり、ユリを思わせるドット状の模様(スポット)が入るのが特徴ですが、今回使用した小輪品種の「パール」のように、一部の品種にはスポットが入らないタイプも存在します。
アルストロメリアの飾り方1:ボリューム感を活かす
「アルストロメリア」にはたくさんの品種と花色があります。その中でも、今回は白と淡いグリーンのコントラストがさわやかな、小輪で段咲きの「パール」という品種を選びました。 アルストロメリアは1本でも何輪も花が付いているので、数本あれば立派なブーケのような姿になります。上部にボリュームがあるので、口が広い器でもバランスよくきまります。 長さは難しく考えず、花瓶やお好みに合わせてください。少し離れて全体を確認しながら調節するのがコツです。もし、花の長さに迷ったときは、全体を見て、花と器の高さが1対1程度のバランスにするのもおすすめです。 アルストロメリアはとても水あげのよい花ですが、より長持ちさせるためにも他の花と同じように水を替えるタイミングで少しずつ切り戻しましょう。 お手入れで少し短くなってきたら、花の位置を動かしたり、花瓶を変えたりして雰囲気の変化を楽しんでくださいね。
アルストロメリアの飾り方2:意外な花をプラスして楽しむ
今回使用した「パール」のような、草ものの趣があるアルストロメリアは、個性的な花とも好相性です。 ここでは珍しい「フリチラリア・インペリアリス」という、ヨウラクユリや王冠ユリとも呼ばれるユリの仲間の花を合わせてみましたが、もう少し入手しやすい花であれば「サンダーソニア」や「グロリオサ」なども相性がよい組み合わせだと思います。 色も形も個性的な花を使う場合、本数は少なめにして、あえてアシメントリーに生けると花の個性がより際立ちます。アルストロメリアは茎が複数ついていますので、その間に差し込めば他の花を加えるときも配置しやすいですよ。 さらに動きのある枝物の「コデマリ・オーレア」と「オンシジューム エレナ」を加えてみました。このように何種類もの花を組み合わせる場合には、色数を少なくすると失敗が少なくなります。 特に枝物は1枝でも全体に動きが出て、ボリューム感がアップして大きく見えます。一本一本姿が違う、自然が作り出した大胆な動きも魅力です。 ここでは、黄金葉の「コデマリ」を使いましたが、この他にも新緑が美しくなる時季なので、お好みの枝を見つけてお試しくださいね。