「日高横断道路」は、なぜ幻の道となったのか? およそ半世紀越しの計画を凍結した理由。 【いま気になる道路計画】
「日高横断道路」の事業は再開するのか?
では、日高横断道路はつくりかけのまま、この先も日の目を浴びることはないのだろうか。当然、地元の自治体は事業の再開を望んでおり、北海道に対しても要望を出している。しかし北海道は、巨額の事業費に対する費用対効果を考慮したうえで、「日高自動車道と帯広・広尾自動車道を延伸すれば、国道236号の天馬街道(浦河町~広尾町)と接続して新ひだか町の静内と中札内村を連絡する」と判断。日高横断道路の重要性は低いとしている。 実際、日高自動車道と帯広・広尾自動車道、そして天馬街道は、日高横断道路の「代替路」となり得るのか、検証してみよう。日高自動車道で現在開通しているのは苫小牧東ICから日高厚賀ICまでで、東静内までは事業化している。一方、帯広・広尾自動車道で現在開通しているのは帯広JCTから忠類大樹ICまでで、広尾町まで全線事業化に漕ぎ着けている。 日高自動車道と帯広・広尾自動車道の延伸を前提とするものの、北海道の主張するとおり、日高自動車道(静内~浦河町)と帯広・広尾自動車道(中札内村~広尾町)は、天馬街道を通じて連絡するため、日高横断道路の代替路といえなくはない。 しかし、新ひだか町の静内から中札内村までの距離を比較すると、日高横断道路より天馬街道の方が長い。その分、所要時間がどれだけ違ってくるかというところで、アクセス性も変わってくるのではないだろうか。高規格の日高自動車道と帯広・広尾自動車道を利用することで、どれだけ時間を短縮できるかが鍵となりそうだ。 【お詫びと訂正】公開時の表記に誤りがありましたので、正しい表記に修正いたしました。お詫びして訂正させていただきます。
文=KURU KURA編集部 資料=北海道開発局