ペダルとハンドルとギヤ操作で勝負……できたのは昔のハナシ! いまどきのレーシングドライバーは超複雑なスイッチをイジりながら走っていた
レースをしながら状況に応じてボタンを使い分けている
レーシングカーのドライビングが簡単だと思っている人は少ないだろうが、最新のレーシングカーは、ドライバーのやらなければいけないことがメチャクチャ増えている。 【画像】20個以上のスイッチやダイヤルがついているF1マシンのステアリング それがひと目でわかるのが、レーシングカーのステアリング。 F1マシンのステアリングを見ると、中央に大きなディスプレイがあるだけでなく、そのわきに大小さまざまなダイヤルやスイッチがついているのがわかるだろう。 その数はざっと20個以上。その主なものを挙げておくと、 ・ブレーキの前後バランス調整ダイヤル ・エンジンブレーキのトルク切替設定 ・デフをコントロールするためのスイッチ ・デプロイメント(回生エネルギー)の出力調整ダイヤル ・デプロイのストップボタン ・オーバーテイクボタン ・ピットレーン用の速度リミッターボタン ・スタート時のローンチマップ切替 ・PUモード切替ボタン ・制動時のトルクバランス調整ダイヤル ・スタビリティー調整用のデフコントロールスイッチ ・(ギアの)ニュートラルボタン ・センサー類のデフォルトボタン ・ラジオ(無線)の通話ボタン ・DRSボタン これらの機能を全部覚えて、ときに300km/hオーバーで走り、強烈なGフォースと闘いながらステアリングスイッチを動かし、マシンを最適な状態にもっていくことを考えると、F1ドライバーの超人ぶりが一層際立ってくるはずだ。 国内のスーパーGTの車両などは、F1ほど複雑ではないにせよ、ステアリングに15種類ぐらいのボタン・ダイヤルはついている。 F1マシンにないボタンでいえば、ABSの強さを調整するダイヤルやトラクションコントロールの強弱をいじるダイヤル、電子制御スロットルのレスポンスを調整するダイヤルなどもついている。 FCY(フルコースイエロー)時用の速度リミッターボタンや、ドリンクボタン、無線ボタン、パッシング(どけどけビーム)ボタンなどがあるのも特徴。 これらを状況に応じて使いこなさなければならないので、レーシングドライバーは馬鹿ではできない! ステアリングのスイッチとダイヤルを使いこなしているところだけ見ても、もっとプロのレーシングドライバーをリスペクトしてもいいぐらいだ。
藤田竜太