《日本2-0サウジの勝因》じつは陰のMVP南野拓実だった…想定外の布陣に対応できた理由「(堂安)律と話し合って」「ポジションが異なっても」
「ポジションが違っても前向き」にやれているワケ
最初の2試合を見て、多くの人が「南野は右サイドで良さは出せないのではないか」と判断したのは、彼が日本代表ではほとんどの試合でトップ下か左サイドでプレーしてきたからだろう。ザルツブルク時代、南野が最も多くプレーしたのは右MFだったのだが、それを知る人がほとんどいないのも一因だろう。 さらに今シーズンは、所属するモナコでは右サイドを任されることも少なくない。本人もこう自己認識する。 「今シーズンは真ん中やトップの一角、ときには右サイドでプレーすることがある。それぞれのポジションで平均点以上のプレーをしないと試合に出続けられない。得意なポジションは真ん中のトップ下かもしれませんけど、チームの布陣がどんな形でも、どのポジションからでも、今は点を取れる自信がありますし、それを代表でも見せていけたらと思っています。だから、試合によってポジションが異なっても、前向きにやれているんです」 8月にはモナコの月間MVPに選ばれ、9月のCLではバルセロナに今シーズン初黒星をつけるきっかけを作った。南野の手応えは、決して過信ではない。
判断力と遂行力…両方を高いレベルで
思えば、今回のアジアでの2次予選から日本は9連勝(北朝鮮戦の不戦勝含む)を飾っているが、ゴールラッシュで勝つ流れを作ったのは2次予選初戦で南野が上田綺世に出した浮き球のパスによるアシストだった。(参考:https://number.bunshun.jp/articles/-/860360? page=3) あれは前田遼一コーチがアイデアを出し、試合の2日前の練習で名波コーチが選手たちに落とし込んだ形からのものだった。南野はそうしたコーチ陣が求めているプレーの遂行力も高い。 試合中の判断力と、コーチ陣が求めるプレーの遂行力。その両方を高いレベルでこなせるのが南野という選手なのだ。 最終予選で先発を経験している12選手のなかで唯一、異なるポジションで起用される理由もきっとそこにあり、それがチームに勝利をもたらしている。 <つづく>
(「核心にシュートを!」ミムラユウスケ = 文)
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