《日本2-0サウジの勝因》じつは陰のMVP南野拓実だった…想定外の布陣に対応できた理由「(堂安)律と話し合って」「ポジションが異なっても」
南野が意識していた“2つのポイント”
南野は、2つのポイントを意識しながら、あそこに顔を出したという。 まずは、所属クラブでプレーするときの役割との違いだ。 「モナコでやっているときは割と前線で待ち構えてプレーすることを監督から求められているんです。ただ、代表では(アウェーゲームだったこともあり)ビルドアップでボールをスムーズに前進させるために自分がどう動くべきかを考えています。その辺は、ちょっと意識を変えています」 その上で、相手が予想とは異なる陣形できた中で、そのウィークポイントを瞬時に見極められた要因については、こう分析する。 「シャドーのポジションの選手があそこで受けて、チームの攻撃を前進させることは試合で有効になりますよね。コーチの名波(浩)さんが、ミーティングで動画を使ってそういう動きをみんなに要求したりするし、練習でもそういうプレーを取り入れていたりするので。だから、そういうプレーを心がけていました。あの時も、僕がそのスペースを使って、縦に良いポジションでボールを受けさせることができたと思います」
俺がワイドに出たり…律と話し合ってました
ただ、南野はこの試合でだけ、そういうプレーを見せたわけではない。最終予選の初戦、中国戦でも相手の泣き所をついていた。 中国が後半から5バックにしてくることは想定していたが、〈5-3-2〉で挑んでくるのは予想外だった。あの布陣であれば、穴となるのは相手中盤の3枚の横と、下がったウイングバックの前に広がるスペースとなる。後半最初のゴールは、そのエリアを三笘と一緒についた南野が、ダイナミックにペナルティーエリアに侵入して自ら決めたものだった。 試合中の相手の配置と動き方を見て、攻略すべきポイントを見つけ、そこを突いていく。その能力が南野は飛び抜けて高い。 ただ、この試合前には南野が見せているパフォーマンスを危ぶむ意見もあった。中国戦で左シャドー、バーレーン戦では右シャドーで先発していたが、左シャドーでなければ良いプレーができないのではないか、という懸念だ。 ただ、それは南野の感覚とは異なる。 「基本的に、左右のどちらのポジションが良いという感覚はないんです。でも確かに(右シャドーだった)前回のバーレーンとのアウェーではちょっと存在感を出せなかった」 だからこそ今回は、試合前にある行動をとった。 「律とは話し合っていました。俺が引いてボールを受けて、律が高い位置を取ったり。律が中に入ったときに、俺がワイドに出たり……。何か1つの型を作っているわけではないですけど、そういう工夫が上手くいく形にはなったのかなと思います」
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