<甲子園交流試合・2020センバツ32校>桐生第一、あと一歩 健大高崎、攻守全力 /群馬
2020年甲子園高校野球交流試合(日本高校野球連盟主催、毎日新聞社、朝日新聞社後援、阪神甲子園球場特別協力)は第5日の16日、兵庫県西宮市の阪神甲子園球場で行われ、県勢2校が登場した。昨秋の関東大会4強の桐生第一は、昨秋の近畿大会8強の明石商(兵庫)に2―3で競り負けた。昨秋の関東大会を制した健大高崎は、昨秋の北海道大会4強で今春のセンバツで21世紀枠に選出された帯広農に1―4で敗れた。勝利には届かなかったものの、ベンチ入りメンバー20人全員が3年生だった両校の選手たちは憧れの舞台で躍動した。【大矢伸一】 【真夏の熱闘】交流試合の写真特集はこちら ◇桐生第一、あと一歩 堅守、終盤に粘り 今夏の県の独自大会で優勝した桐生第一は、大会屈指の好投手、明石商・中森俊介(3年)に対し、攻撃陣が終盤に粘りを発揮した。 2点を先取された直後の七回、2死二塁で打席には6番・星野綜汰が入った。ベンチ入り20人中、最も小柄な身長161センチの正捕手は初球のスライダーが高めに浮いたのを逃さず、左前へ運んだ。二塁から工藤ジョエルが俊足を飛ばして生還、1点を返した。 八回は2死から飯塚一樹が四球で出塁する。続く曽我一瑳の右前打と盗塁で二、三塁と一打逆転の好機を築いたが、主将の広瀬智也が速球で空振り三振を奪われた。 再び2点を追う九回は先頭の中島優月の安打をきっかけに2死三塁とし、途中出場の川端琉真が初球の直球を中前にはじき返し、1点差まで詰め寄った。 終盤の粘りを呼び込んだのは無失策の堅い守りだった。 先発の左腕・宮下宝はスライダーを効果的に使い、中森と堂々と投げ合った。六回1死一、三塁では相手のスクイズの打球を自ら処理して、三塁走者を三本間に挟んでタッチアウトにした。なお続いたピンチで2点打を許して先制されたものの、大舞台で物おじせずに力投した。七回から救援した2番手の右腕・蓼原慎仁も被安打1、失点1でしのいだ。 バックも投手陣を支えた。二盗を企てた走者を落ち着いた送球で刺した星野、ライン際の難しいゴロを捕った一塁手・中島、ゴロや飛球を再三の美技でさばいた遊撃手・飯塚、素早い一塁送球で併殺を完成させた右翼手・工藤らが好守でもり立てた。 ◇健大高崎、攻守全力 好機生かせず涙 県の独自大会準優勝の健大高崎は関東代表として臨んだ昨秋の明治神宮大会準優勝の実力を随所に見せつけた。 2点を先行された直後の二回の攻撃では、50メートル走5秒台の古滝友哉が右中間を破る当たりで一気に三塁を陥れた。続く中田隼哉の三塁ゴロで果敢に本塁を突き、三本間に挟まれタッチアウト。好機は去ったかに見えたが、続く主将の戸丸秦吾が直球を強振すると、快音を残した打球は左翼フェンスを直撃する適時二塁打となった。 しかし、健大高崎の得点はこの1点のみに終わった。惜しまれたのは相手の連続失策による七回無死一、二塁の反撃機だ。代打・安斎駿斗が空振り三振の後、1番・山畑陸の時に二塁走者・中田が相手投手のけん制球で刺され、逸機した。 打球が相手野手の正面に飛ぶ不運もあり、試合の流れを引き寄せられなかった。四回1死一、二塁で中田のいい当たりの飛球が中堅手に捕られ、五回無死一塁では山畑の鋭いライナーが二塁手正面を突き、一塁走者が飛び出していたため、併殺を完成させられた。 とはいえ、5人の継投策で失点を食い止め、最後まで食らいついた。3番手・朝井優太は2回、打者6人から3三振を奪い、完璧に抑えた。 守備陣も、二遊間のゴロを軽やかなフットワークでさばいたり、背後を襲う飛球を好捕したりした二塁手・橋本脩生をはじめ、内外野とも堅守でバックアップした。 ……………………………………………………………………………………………………… ▽第1試合(16日日) 桐生第一 000000101=2 00000201×=3 明石商 ▽第2試合(16日日) 帯広農 021010000=4 010000000=1 健大高崎