上司が喜ぶように「予習」をしてくる若者たちに、どう対応すべきか?
例えば、上司が追加の仕事をお願いしてくるとき、ダメ元でお願いしているのか(つまり断る余地があるのか)、それとも承諾を前提にお願いしているのか(つまり強制なのか)を見極める必要がある。 もし、ダメ元でお願いしているようなら、やりたいアピールをしつつ断ることが重要だ。「ちょっと今、タスクが多くて厳しいです」と言い、そこからの「やっぱりそうだよねぇ・・・」という上司の返事待ちが定石となる。 もし、承諾させること前提のお願いなら、ちょっと仕事がきついアピールを挟みつつ、渋々承諾することが重要だ。おそらくそういうシーンでは、まずは「今のタスクどう?」という感じで、気づかいから入ってくるから、そこで結構いっぱいだけど、あと1つ2つ程度なら、という流れにもっていくのがいい。 ■提案:若者を理解し、変えようとしない いかがだろう? いかに手強いかがおわかりいただけたかと思う。 以降が、そんな彼らと接するあなたへの僕からの提案だ。 とにかく大事なのは、そんないい子症候群の心理を理解してあげること。 そして、決してそのマインドを変えようとしないこと。 上司から見たら、なんともじれったい若者かもしれない。でも、それを変えようとしても、というか変えようとすればするほど、あなたは静かな抵抗にあう。 だから、とにかくまずは理解しようと努めること。 そして、そんな臆病で回避動機を強くもった若者でも、できることがあって、十分会社にも社会にも貢献できることがあるということを、少しずつ知る支援をすること。 この際のポイントとして、決して過度にならないように気をつけてほしい。期待は〈回避志向〉の若者の3大悪夢の1つだ(残りの2つは、またいずれ)。 夢や目標や期待が大きければ大きいほど若者は気合が入る、と思っている人こそ、このポイントを深く胸に刻んでほしい。 その仕事が会社にとって重要で、社会に対する貢献度が大きければ大きいほど、〈回避志向〉の若者は「圧」を感じる。 もう1つ、大事なポイントをお伝えしたい。 それは、仮に何らかの案件を任せる際でも、あくまでもその案件の責任主体はあなたであり、それをわかってもらった上でしっかりと伴走すること。 仮に、彼らが何かにつまずいたり失敗した場合も、変に慌てず、取り繕わないこと。そして、いかにそのつまずきが些細なものであり、何の問題もないことを教えてあげて。 そしてすぐにリカバリー作業に移ろう。 彼らはそのリカバリーの様子を教材にして、転んでも大けがしない方法を学ぶ。
金間 大介