巨人の先発争いに入ってきた前ソフトバンク・高橋礼の強み【柴田勲のコラム】
重要なのは打順
巨人の先発はレベルの高い争いになりそうだが楽しみでもある。 今年は救援陣が充実している。気がかりな点は抑えだ。大勢が右ふくらはぎ痛で開幕に間に合うか。いまは故障班で調整中だ。 代役の守護神に堀田賢慎が候補に挙がっているが、さてどうなるか。先発争いとともにこちらも大きな注目点だ。 これまた前回のコラムで話したが、打順である。1番と4番が決まれば後は臨機応変に組める。4番は岡本和真で不動だ。 阿部慎之助監督は遊撃・門脇誠をシーズンフルに使う考えを明かしている。それに1番での起用を視野に入れているという。 ならば1番・門脇、2番にはおそらく吉川尚輝だろうがこの二人を固定して4、5試合続けて試す時期にきたのではないか。 いまだにオープン戦では松原聖弥、吉川らを1番に使って打線を組んでいる。 阪神はずっと1番・近本光司、2番・中野拓夢で通している。 昨年、原辰徳前監督は開幕戦でオコエ瑠偉を1番で起用したがすぐに終わった。オコエは打てば儲けものの選手だ。とても1番タイプではない。 1番を固定しなかった、できなかったから10何試合で10何通りの打順を組むことになった。これではチームは落ち着かない。 門脇、吉川の1・2番コンビがうまく機能しない、しっくりこないと分かったら、例えば1番を吉川にしてみる。 そうすると例えば2番・坂本勇人、3番・丸佳浩、4番・岡本、5番ルーグネッド・オドーア、6番・大城、7番・秋広優人(松原、佐々木俊輔)そして8番に門脇となる。
オドーアに期待
1番が決まればいろんな打順が組める。 何度も言うが4、5試合続けて「これだ」という打線を組んでもいいと思う。 「まだ」なのか、それとも「もう」なのかだが、準備だけは早い方がいい。 最後になるが、新外国人のオドーアは大きな穴がなさそうでパンチ力もありそうだ。本番に入らないと真の実力は分からないもののそれなりにやるのではないか。 日本の投手はフォーク、低めに落ちる球を多投する。これに引っかからないことだ。対応しようとすると打撃フォームを崩し、焦りにつながる。 甘い高めの球をじっくりと待つ。もちろん追い込まれたらフォークにも対応しなければならないが我慢が必要だ。 とにかく一日でも早く日本の野球に慣れてほしい。オドーアが活躍できるかどうか、今季の巨人の行方を左右する大きなポイントの一つでもある。(成績などは11日現在) 柴田 勲(しばた・いさお) 1944年2月8日生まれ。神奈川県・横浜市出身。法政二高時代はエースで5番。60年夏、61年センバツで甲子園連覇を達成し、62年に巨人に投手で入団。外野手転向後は甘いマスクと赤い手袋をトレードマークに俊足堅守の日本人初スイッチヒッターとして巨人のV9を支えた。主に1番を任され、盗塁王6回、通算579盗塁はNPB歴代3位でセ・リーグ記録。80年の巨人在籍中に2000本安打を達成した。入団当初の背番号は「12」だったが、70年から「7」に変更、王貞治の「1」、長嶋茂雄の「3」とともに野球ファン憧れの番号となった。現在、日本プロ野球名球会理事を務める。 デイリー新潮編集部
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