飲み会に、三流は「行かない」、二流は「場所はどこでもいい」と言う。では一流は?東大生でも出世できないNG飲み会の特徴
学業成績と社会での成功は関係がない
まず、学業成績が優秀であることと、社会での成功にはほとんど関係がないという点だ。つまり、学校での成績が良くても、それだけでは成功につながらないということだ。それよりも重要なのは「会話力」だという。この会話力とは、ただ上手に話すということではない。いろいろな立場の人と上手にコミュニケーションを取れる能力を指している。 例えば、顧客や上司、同僚、部下など、どんな相手とも良い関係を築ける能力が求められる。この研究で最も成功した人たちには「言語的流暢性」という共通点があった。言語的流暢性とは、どんな状況でも自信を持って話せる能力だ。さらに、相手によって話し方を変えることができる柔軟さも重要だという。例えば、経営層には簡潔に要点を伝え、技術者には詳細なデータを示し、営業担当には具体的な数字を使うなど、状況に応じて話し方を変えることが求められる。 日常の中でも、空港での待ち時間や夕食時の会話、タクシーでの移動中などの短い時間に、相手と快適な会話を続けられる人が成功する傾向があるという。そういった場面で気まずくならずに話せる人は、相手から「また一緒に仕事をしたい」と思われる可能性が高い。このように、会話力を持つことは、仕事の成功や昇進にもつながる重要なスキルである。
社長宅、高級レストラン、ピザ屋、どこが一番いい?
飲み会の場も、こうした会話力を発揮する絶好のチャンスだ。ただ単にお酒を飲むだけではなく、相手の話をよく聞き、自分の考えを適切に伝える練習の場として活用するべきだ。飲み会を有効に使えれば、日常の仕事や人間関係にも大きなプラスをもたらすことができる。 最後は、飲み会の場の研究だ。調べてみると、飲み会をどこでやるかを真剣に考えている論文を発見した。「誰が夕食に来ると思う? 戦略的経営コンサルティングにおけるリミナリティの構造と利用」(2006年、イギリス『ウォーリック・ビジネススクール』)という調査だ。 この調査で、社長の自宅、高級レストラン、ピザ屋で行われた夕食会において、何が成果として上がったかがわかった。まず、社長の自宅だ。「家族的」な雰囲気を演出し、幹部やコンサルタントに心理的な圧力をかける意図があったという。その場では、幹部たちは会話にほとんど参加せず(80%が社長一人の発言)、会議というより「聴衆」の立場で過ごし、コンサルタントはこの場を通じて、CEOの意図や「公式な場では得られない」情報を収集することができたという。