「先輩方はキャバレー回りから始めて…」クラッシュ・ギャルズはいかに女子プロレスを“変えた”のか? ライオネス飛鳥が抱いた「時代を壊したい」という夢
クラッシュ・ギャルズはなぜ“社会現象”になったか?
玉袋 ビューティ・ペアなくして、その後の女子プロレスはないわけだもんね。ただ、それでもクラッシュ・ギャルズはビューティ・ペアブームを全部凌駕したっていう気持ちがボクにはあるんですよ。 飛鳥 ありがとうございます。時代もありますよね。バブルの時期だったし。 玉袋 プロレス版・宝塚だった女子プロの概念を全部ひっくり返したのがクラッシュ・ギャルズだと思いますよ。 飛鳥 今になってファンの子たちに当時の気持ちを聞いたりすると、クラッシュの試合を見ることで、いじめや家庭の問題なんかにも向かっていける勇気が出たっていうような話が多いんですよ。頑張って良かったなって思いますね。 椎名 熱狂度がすごかったですもん。 玉袋 あと歌の歌詞で「俺たち」ってフレーズが出てくることで、あの頃からすでにジェンダーフリーだったから。 飛鳥 デビュー当時の曲は「俺たち」って出てくるんですよね(笑)。 ガンツ 70年代までは「女は女らしくなきゃいけない」っていう時代ですもんね。80年代前半、女の子たちがクラッシュを見てカッコいい女に憧れたっていう。 玉袋 女性の時代の先駆けだよ。それで社会現象になったんだから。
女子プロレス黎明期の“キャバレー回り”
ガンツ プロレス界で言うと、「プロレス」と「女子プロレス」って、それまでは別物扱いだったんですよね。「女子プロはあくまで女子プロであって、プロレスじゃない」みたいな感じだったのが、クラッシュ・ギャルズから同じ「プロレス」になって、プロレス雑誌にも毎号女子プロレスが載るようになったという。 飛鳥 そういう意味では嬉しいですね。当時は女子プロレスに市民権を得たいっていう気持ちでやっていたので。 椎名 プロスポーツ選手としての尊敬も欲しいですもんね。 玉袋 俺の親父たちが見に行っていた頃の女子プロレスは、セクハラの対象でしかなかったから。 飛鳥 松永兄弟が女子プロレスを始めた時はキャバレー回りでリングなんかなくて、マットを敷いてやってたらしいですからね。で、これは絶対に冗談だと思うんですけど、投げたときにお酒の瓶がアソコに入ったとか。 玉袋 ワハハハハ! スッポリと。けん玉じゃねえんだから(笑)。 椎名 そういうことを言うんですか(笑)。 飛鳥 その当時の諸先輩方は、そういったキャバレー回りから始めているので、ある意味、松永兄弟も凄いなと思うんですけど。 玉袋 言ったら酔客相手のエロ混じりの見せ物だったのが、ビューティ・ペアやクラッシュ・ギャルズではゴールデンタイムを席巻するまでになるわけだからね。
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