「久保建英に疲労感が…」日本代表で2万6000キロ移動の強行日程も「韓国人FWとユニ交換」ソシエダで途中出場、現地カメラマンが見た表情
久保の突破と“もっと時間を使ってくれ”
それでもジローナの攻撃への圧に押し込まれ、久保も自陣深くまで戻っての守備が求められる展開が続いた。その中でボールを奪うと、自陣から相手ゴール付近までボールを運び、単騎でチームへ時間とスペースを与える働きを見せた。 久保は最終盤にも、自陣で相手パスをカットしマークを3人引き連れた状態でシュートまで持ち込んでいる。 その際には、あえてトップスピードに乗ることはせず、足裏でボールを舐める様にドリブルをするなど、たっぷり時間をかけながら相手ゴール前まで到達している。角度のないところからのシュートは、枠を捉えることはできなかったが、確実に展開を終わらせることで、相手へカウンターの機会を与えないことまで考えられたプレーだった。 ただその直前のプレーでは、左足のアウトを使ったミドルパスが相手にカットされ、反撃の機会を与えてしまっていた。プレーが切れた際には、すかさずマルティン・スビメンディから「もっと時間を使ってくれ」というようなジェスチャーを受けており、直後のプレーで見事それを体現したというわけだった。
韓国人FWにユニホームを求められると…
終了の笛と共に膝に手をついた久保の疲労は、代表戦からくるものだけではなく、単純に、この1勝を勝ち取るため、それだけの奔走をしたということだったのかもしれない。 この日途中出場となったジローナの韓国人FWキム・ミンスからユニホームを求められた久保は、アンダーウエア姿で仲間たちと笑顔で勝利を讃えあい、また充実した疲労感を漂わせているように見えた。 ソシエダは、週中にマッカビ・テル・アビブとのアウェイでのELを戦い、週末にはオサスナ戦が待っている。ELではまだ勝利を上げることができておらず、是が非でも勝利が求められるが、復調の兆しが見える中、リーガでの連勝もホームでは求められる。過密日程が続く中で、久保の起用法にも注目が集まる。
翌朝とバルサ戦で目にした光景とは
翌朝、秋晴れのジローナの街を散策していると、太鼓や笛の音が聞こえてきた。 石畳の入り組んだ路地でマラソン大会が行われており、ちょうどスタートのタイミングに重なったようだ。 またエッフェル塔の建設者ギュスターヴ・エッフェルによって作られた、観光スポットであり、市の顔の一つでもある。 赤い鉄の橋には、誇らしげにチャンピオンズリーグの垂れ幕が掲げられていた。 またバルセロナに戻ったその日には、バルサ対セビージャ戦の撮影にも向かった。 バルサが5-1で圧勝した試合の中で、怪我で11カ月もの長期間離脱していたガビが復帰した。途中出場でピッチへ入る際には、ペドリからキャプテンマークを委ねられ、スタジアム全体からガビコールが鳴り響いた。 リーガ首位のバルサは、次節レアル・マドリーとのクラシコを迎える。9勝1敗のバルサに対し、2位のマドリーは、7勝3分と今季まだ無敗。今後の首位争いを占ううえで大きな決戦となる。
(「欧州サッカーPRESS」中島大介 = 文)
【関連記事】
- 【写真】「タケ、ベンチでは笑顔だけど、あくび…」疲労感が…2万6000キロ移動後の途中出場、それでも久保建英はキレキレだった〈スペインで愛されるタケ〉も全部見る
- 「僕たちの方が勝利に…」久保建英“日本代表とひと味違う”スペインでの素顔と本音「ファンを煽り、強豪DFたちを翻弄」現地カメラマンは見た
- 「クボと交換したユニフォームを今も大切にしている」“バルサの心臓”デヨングが語った…久保建英23歳を絶賛「日本代表にも驚いたよ」
- 【貴重写真】「12歳クボのかわいい表情」久保建英バルサ・カンテラ時代&「懐かしい」10代の久保、デヨングの特別フォトなどすべて見る
- 【写真】「久保の表情が…」アトレティコDFを翻弄しまくり、ファンを煽り…“日本代表と一味違う”タケのプレーを全部見る