森島、香川、清武、柿谷と継承するセレッソ大阪のエースナンバー「8番」は、まだ凍結
セレッソ大阪のエースに託される背番号「8」が、当面は欠番状態となることが明らかになった。昨シーズンから「8」を背負っていたFW柿谷曜一朗が、ワールドカップ・ブラジル大会による中断期間中にスイス・スーパーリーグの強豪バーゼルへ完全移籍。昨シーズンのJリーグ新人王を獲得し、4月に行われた日本代表候補合宿にも招集された19歳のFW南野拓実に来シーズンから託されるでは、との見方をセレッソ大阪の岡野雅夫社長は言下に否定した。「冗談じゃない。そんなに簡単な背番号ではない。南野はまだ何も残していない。ふさわしい人間が出てくるまで、8番は空けておきます」。
セレッソにおいて、背番号「8」は次のように定義されている。「攻撃の中心となる日本人選手が背負う」。折り返しを迎えた今シーズンのJ1で、南野は16試合に出場して無得点が続いている。一方で試合中に自制心を失い、ラフプレーを犯した末に一発退場となったケースがACLを含めて2度もある。サガン鳥栖に0対1で敗れた27日の第17節でも、南野が放った2本のシュートはともに相手GKにセーブされた。岡野社長の目には、エース拝命は時期尚早と映っている。「焦ってシュートを打たなくてもいいのに。まだまだ若いよね。(柿谷)曜一朗がいなくなった後半戦で、2桁ゴールでもあげれば別ですけど。いまの状態で8番をつけたら、森島が黙っていませんよ(笑)」。
セレッソにおける「8」番の伝説は、岡野社長も触れた元日本代表MF森島寛晃を抜きには語れない。森島は前身のヤンマーディーゼル時代の1992年から17年間に渡って背番号8を背負い、168cm、62kgの小柄な体にあふれんばかりのガッツとセレッソへの愛情を込めてプレーした。日本代表としても1998年フランス大会、2002年日韓共催大会と2度のワールドカップに出場し、セレッソのホーム長居スタジアムで行われた後者のチュニジア代表とのグループリーグ最終戦では先制ゴールを決め、日本のベスト16進出へ大きく貢献した。