夫は中小企業ですが30年同じ会社で働いていました。退職金はだいだいどのくらいもらえそうでしょうか?
会社を退職する時期が近づいてくると、気になるのが退職金です。退職金は勤続年数が長いほど金額が上がるため、それだけ使い道も増えます。いくらもらえるのか事前に把握しておきたい人も多いでしょう。 本記事では、同じ会社で30年勤務していた場合に受け取れる退職金の額について、厚生労働省と東京都産業労働局の資料から説明していきます。 ▼勤続20年でも年収は「280万円」貯蓄も「30万円」しかないのは少なすぎ!? 転職したほうが良いの?
同じ会社に長年勤務して受け取れる退職金の平均は?
厚生労働省は、「令和5年就労条件総合調査概況」で「退職給付(一時金・年金)の支給実態」として、退職金の平均給付額をまとめています。調査の対象になっているのは勤続20年以上かつ45歳以上の退職者です。今回は勤続30年という情報しかないため、自己都合退職と定年退職の2つのケースでみていきましょう。なお、この調査では企業規模別の平均は出されていません。 ・自己都合退職 大学・大学院卒の場合は、1441万円が平均額です。高校卒は、管理・事務・技術職の場合が1280万円、現業職だと921万円が平均額になっています。 ・定年退職 定年退職の場合は、やや金額が上がります。大学・大学院卒は平均で1896万円です。高校卒は管理・事務・技術職が平均1682万円、現業職は1183万円という金額になっています。
中小企業に限定した場合の退職金の目安は?
次に、中小企業に限定した場合の退職金の目安を紹介します。ここでは、東京都産業労働局がまとめた、「中小企業の賃金・退職金事情(令和4年版)」のモデル退職金(調査産業計)から自己都合退職(勤続30年)と定年退職のケースでみていきます。 ・自己都合退職 大学卒の場合は、653万6000円です。高専・短大卒は565万8000円、高校卒の場合だと532万5000円となっています。 ・定年退職 大学卒の場合は、1091万8000円です。高専・短大卒は983万2000円、高校卒の場合だと994万円となっています。 実際には業種によっても退職金は異なり、もっとも高いのは「金融業・保険業」です。大学卒の自己都合退職が999万6000円、定年退職が1442万2000円です。高専・短大卒の自己都合退職は535万円、定年退職は906万4000円、高校卒の自己都合退職が509万8000円、定年退職が1073万6000円です。 また、企業規模(常時雇用人数)によっても金額は変わってきます。大学卒のみ説明しますが、10~49人の企業の場合、自己都合退職は566万6000円、定年退職は979万3000円です。 50~99人の企業は自己都合退職が689万4000円、定年退職は1141万8000円、そして100~299人の企業になると、自己都合退職が838万1000円、定年退職が1323万円です。この結果から、企業規模が大きいほど退職金の金額が多いことが分かります。