【トランプは中国との貿易戦争に勝てるのか?】厳しい中国の経済状況も、危険はらむトランプの4つの特性
トランプの貿易戦争への4つの欠点
この論説と同日のニューヨーク・タイムズ紙で、ノーベル経済学賞受賞者のポール・クルーグマンが、逆にトランプが貿易戦争で敗北する可能性があると論じている。中国は、消費拡大による経済成長を目指すべきだが、電気自動車(EV)等の先端分野での世界制覇を目指して過剰生産を輸出拡大で解決しようとする。 米中貿易戦争は不可避であるが、トランプの無知、焦点の欠如、縁故主義、騙されやすさの4つの特性から、この問題に対応する指導者として最悪であると辛辣に批判している。無知とは関税の影響や世界貿易の仕組みについて理解していないこと、焦点の欠如とは一律の関税措置により打撃を与え、同盟国を阻害するような政策であること、縁故主義とは特定の企業に関税を免除する権限の濫用、騙されやすさでは第1期目の中国との経済貿易協定の2000億ドルの追加輸入の約束を中国が守っていないことを指す。 いずれにしても、トランプ第2期政権で米中貿易戦争が主要な問題となることは明らかであろう。その中で、日本は、自らの経済復活のために、どのように米中両国と関わって行くのか、喫緊の最重要課題の一つである。
岡崎研究所