お値段1500万円!? カワサキWのエンジンにガーダーフォーク&ハードテイル…チェコの超高級バイク「プラガZS800」とは?
フロントガーダーフォーク&リヤリジッドの乗り心地とは
ヤンと彼のデザインチームは、BD500トリビュートモデルに搭載する中排気量エンジンに関してほぼあらゆる選択ができたのだが、そのシンプルさと外観、ベベルギヤ駆動カムに着目して、カワサキ W800のエンジンを選択した。ノーマルのW800は6000回転で48馬力、4800回転で6.4kgmという性能だが(注:欧州仕様)、プラガは排気がよりスムーズに流れるチタン製マフラーと改良された燃料供給システムを採用。ノーマルよりもわずかに高い50.7馬力という最高出力となっている。 バイクに慎重にまたがり、美しく形作られたシングルシートにゆっくりと腰を下ろしてみると、その体積や質量の少なさをすぐに理解できた。ハンドルは1928年に作られたバイクのように幅広で、カーボンの複雑なディテールやチタン製パーツを眺めていると、純粋なアイデアと贅沢さに満ちた未来の世界へと誘われる。 カーボン製のスターターボタンをワンプッシュすると、ノーマルでは静かだったロングストロークのツインエンジンが唸りを上げる。ハンドメイドの2本出しマフラーには特にキャタライザーや消音機能は備わっておらず、スロットルをブリッピングするとカリスマ性に富んだ鋭い音が響く。計器類は、タコメーターはなく、ヘッドライトシェルに完璧に調整されたアナログ速度計が内蔵されているのみ。ギヤを1速に入れてスロットルを開けると、W800と比べて70kgほど軽いことが明らかに活発な加速につながっている。 最初はZS800の格別な奇妙さに少し戸惑ったが、エンジンはW800同様の豊かで幅広いトルクを発揮。スムーズな回転数の上昇がリラックスしたショートシフトを促し、その性能にふさわしい印象的な運転を楽しませる。 ライダーアシストについては、トラクションコントロールといった機能はなくABSさえ付いていない。だが、明確な軽快さが、W800と比べてイージーな追い越し加速を実現している。ZS800は速くはないが、決して遅くはなく、信号待ちでZS800に遭遇したドライバーやライダーを驚かせることだろう。あなたがこの宝石や彫刻のように美しい超軽量バイクに腰を据えて腕を広げている姿は、当然のように周囲の注目を浴びる。