フジテレビ『ザ・ノンフィクション』で注目された50代男性の裏話と結婚できる中高年の境界線
今年2月4日と11日に放送されたフジテレビの『ザ・ノンフィクション』で大反響だった婚活回『結婚したい彼と彼女の場合 ~令和の婚活漂流記2024~』。東京・青山の結婚相談所「マリーミー」の代表・植草美幸氏と婚活中の男女に密着したドキュメンタリー番組だが、当時、登場人物3人のうち、20代の女性は成婚し、交際経験のない進藤さん(30)やバツイチの内田さん(56)の婚活は続いたままだった。 【写真】ダレノガレ明美が結婚しない理由「財産取られたくない」とZ世代男性「姉さん女房」志向の相関関係 その2人が今夏結婚。彼らのその後が11月5日、同局系特番『ジツハなジツワ ~#今夜の好奇心~独占密着!すべてが初公開SP』で取り上げられて、再び注目を集めた。 今回は10歳年下のバツイチ女性と結婚した内田さんについて、熟年結婚の成功要因を含めて植草氏に分析してもらった。 ◇ ◇ ◇ ――内田さんといえば、前回放送ではお見合い相手に「夫婦ならラブホに泊まってもいいですよね」と発言し、SNSでも話題に。女性たちとの距離感がつかめずに苦労した姿が思い出されますが、まずはどのようなお相手選びをされていたのでしょうか。 内田さんが婚活を始めたのは、51歳(2019年)頃からで、マリーミーで結婚相談所は4カ所目と聞いています。当社では約2年半活動していました。 26歳から62歳まで約70人ほどの女性とお見合いをしましたが、最初の半年は子供を重視し、30代半ばの相手ばかりを視野に入れていたことで苦戦が続いたんです。ですから「年の差20歳は厳しいですよね。子どもにこだわりすぎず、人生100年時代でまだ45年あるんだから、元気で健康で明るい人と2人で楽しい人生を送りましょう」という助言をしました。 一般的には50歳を過ぎたら結婚はほぼ無理だと言われています。数パーセントしか結婚できないんです。ですが、内田さんはもともと人間性として持っていらっしゃるものが素直でしたし、会社役員という立場でありながら、謙虚にメモを取り続けたり人に頭を下げられる人でした。 あとは一度結婚されているので、ご自分が振り返った時に、あの時こうすればよかったという結婚後のイメージもある程度できていた。ですから結婚1回目は残念な結果になったけれども、それと同じような結果にならないようにしないとねと伝えてきました。 加えて、普通はこの年代になると、1年間で会えるのは数人が限界です。選り好みするからお見合いする相手がいなくなります。内田さんは「この人は違うかな」と数人だけお断りしましたが、ご紹介した方にはほとんど会っていました。頑固じゃなく沢山の方にお会いしたことも良い出会いに恵まれた要因です。 ――奥様は、どんな方ですか? 奥様となった女性は、内田さんが3、4人目のお見合い相手だったと思います。2月の番組を見て入会されて、システム上で内田さんを見つけたんです。彼女は彼女で最初はいろんな人と会って活動していて、内田さんもいろんな人と活動していて会ったのは数か月後でした。 彼女が内田さんに興味を示したのは「私(植草)が内田さんを褒めているから」。テレビで「青年のような人だよね」と話していたこともあり、「先生がいいって言うんだから良い人なのだ」と思ったそうです。彼女も再婚ですから、相手の選び方が良くなかったこともあるわけですよね。だから「この人が合うと思いますよ」とアドバイスしたら、素直に聞いて行動したわけです。二人ともすごく性格が似ています。 ――お2人共素直だったということが、大きなポイントなのですね。 番組でも出ていましたが、奥様となった女性が内田さんの連絡頻度が減ったことを咎めたら、実は内田さんのお母様が急逝していて、「大変な時に、彼を信じてあげられなかった」と後悔していたことがあります。その後和解してプロポーズへと繋がりましたが、自身の行動を振り返って素直に反省できたのは、彼女の人柄の良さです。 こういう場面で、「連絡を無視するなんて!」と怒る人や、交際を終了にしてしまう人もいます。その点、お相手の気持ちを想像し、お互いに寄り添えることが出来たのが、まさにお2人の成功要因だと思います。内田さんも奥様も、「今とても幸せです」とおっしゃっていましたが、一緒に人生を歩んでいく覚悟、我慢、協調性、同調性、思いやる気持ち。熟年婚活をされる方々には、これらを特に大切にして、婚活を進めていただきたいです。 ――番組では内田さんが女性に「僕は誓う。あなたを一生全力でお守りしたいと思います。こんな僕ですが、結婚していただけますか?」とプロポーズしたシーンがありました。裏話があるそうですね。 内田さんは過去、真剣交際の女性に「一緒に住みたい」と言って破談になっています。それはプロポーズじゃない。ちゃんと「結婚してください」とか「お守りします」という言葉が入らないと通じないんですよ。だから電話をして、「考えたプロポーズを言ってみて」と言いました。私は過去うちの男性会員から500人以上プロポーズされています(笑い) ――最後に50代以上の内田さん世代の婚活に苦労している人たちに成功のポイントを教えてください。 50代で結婚するって並大抵のことじゃないです。それでも現実には増えています。ですが昭和の時代の古い感性で、「女性は専業主婦で男性が食べさせるんだ」っていう考えだったらうまくいかない。それから50歳を過ぎても「結婚イコール子供」では結婚できません。 自分の老い、自分の残された人生を誰とどう生きていくのかっていうのを考えないと、20代と同じ気持ちでいても結婚ができません。40の時も50の時も60の時も20代に自分が思い描いた結婚相手をそのまま何十年も引きずっている方もいる。だからうまくいかないんですよって言っても絶対譲らない方も多いので難しいですね。 マリーミーにも50代の人で、「29歳以上の女性は紹介しないでほしい」と言う人がいます。もちろん諫めますが、先日も66歳の男性が36歳の女性を断ってしまって……。やっとの思いで見つけてきたのに「もっと若くて綺麗な方がいい」と。嘘みたいな話に聞こえますよね。でも現実です。 先日放送の『ジツハなジツワ』を見て、50代以上の女性もたくさん相談に来られています。でも、同世代の男性は20代30代がいいと言う方が多いので、そこが難しい所です。 ただ、これからをどう生きていきたいのか自問自答して、同世代の落ち着いたパートナーと穏やかに生きていきたいと考えて幸せになる方も増えていますから、50代以上の婚活をする方は、これからの20~30年にパートナーと何をやりたいかとか、どんなことができるかなどを考えることが大事です。 お見合いやデートをした時に、相手がどう思っていて、何を求めているのか、「俺じゃないんだな」っていうことに気付けるかも重要です。お互いに相手が考えていることや望むことを理解できれば、何歳でも結婚は難しくありません。 ◇ ◇ ◇ 過去に炎上した内田さんの回を振り返る●関連記事【もっと読む】『ザ・ノンフィクション』婚活回で密着された男性 炎上した「夫婦ならラブホ」の真意を振り返る…に詳しい。