《ブラジル》母親を誕生日に撲殺=「自分に豚と言った」?
リオ市沿岸部の高級住宅街バラ・ダ・チジュカ地区で17日(日)、34歳の男が母親を殺害した容疑で逮捕された。住民の通報により警察が現場に到着した際、容疑者は錯乱状態で自分が何をしたのか説明できなかったという。彼は双極性障害の治療を受けており、精神的に不安定な状況下で犯行に及んだ可能性があるとみて、捜査が続けられている。この日は被害者である母親の63歳の誕生日で、友人らを交えて自宅でシュラスコ(バーベキュー)をして祝う予定だった。招待客の多くは現場に到着してから被害者の死を知り、ショックを受けていると18日付テラなどが報じた。 事件は午前4時頃、ラファエル・パエス・カストロ容疑者と母親マルリ・フェレイラ・パエスさんが同居する高級マンション内で発生した。近隣住民が悲鳴を聞いて警察に通報したことにより、事件が発覚。警察官が現場に到着した際、玄関のドアを開けたのはラファエル容疑者だった。室内には血痕と破壊された物品が散乱していたが、容疑者は何が起きたか説明することができなかったという。警察は彼が母親を殴り殺したとみて、事件を女性殺害(フェミニサイド)と分類。母親の遺体は司法解剖のため、法医学研究所(IML)へ送られた。 ラファエル容疑者は5年以上も双極性障害の治療を受けており、3種類の処方薬を服用していたことが明らかになった。最近キリスト教福音派に改宗し、治療に専念するため、DJとしての仕事を辞めていた。 近隣住民は、母子は非常に仲が良く、常に一緒に過ごしていたと証言。友人や親戚も、母子関係に問題があったという兆候はなく、ラファエル容疑者が以前にも精神的な発作を繰り返し入院したことがあったが、これほど深刻な事態に至るとは思っていなかったという。 とはいえ、容疑者は事件の数日前から精神的に不安定で、母親の携帯電話を取り上げ、マンション内を徘徊するなど、異常な行動を見せていたという。目撃者の1人が事件後、ラファエル容疑者に何が起こったのか尋ねた際、「母親が自分を豚だと言った」と答えたと証言している。 逮捕されたラファエル容疑者は警察で事情聴取を受けているが、支離滅裂な会話を続けており、精神異常の可能性があるため、精神鑑定を依頼している。事件の動機については未だ不明であるが、彼が精神的な混乱状態にあった可能性があるとみて捜査が続けられている。