<頂点へ・センバツ山梨学院>戦力分析 強力打線と安定守備陣 通算打率、出場32チーム中トップ /山梨
18日に開幕する第94回選抜高校野球大会に出場する山梨学院は、強力打線と安定した投手力で秋の県大会(優勝)と関東大会(準優勝)を勝ち上がってきた。県勢初の甲子園での優勝を目標に掲げるチームの戦力を分析した。【田中綾乃】 ◇打 チームで4割9厘 新チーム発足後の県大会、関東大会での通算チーム打率は、センバツ出場全32チーム中トップの4割9厘。下位に至るまで切れ目のない強力打線だ。 中心は、1番・鈴木(2年)と4番・高橋(1年)。鈴木は打率6割2分9厘で、規定打数(チーム試合数×2)に達している出場全選手中トップの成績だ。1日に7回の食事で関東大会終了後から体重を6キロ増やし、力強さが増した。高橋は秋の県大会準決勝で2本塁打を放ったが、自身は「ホームランを増やすより、打率を高めたい。センバツ毎試合猛打賞を狙う」と意気込む。主将で5番の相沢(2年)は、追う展開となった関東大会初戦で中盤に反撃の口火を切るヒットを、また決勝では同点に追いつく本塁打を打ち、勝負強さを見せた。 低めの変化球を振らされて負けた昨夏の県大会の教訓から、膝より下の球には手を出さないことをチームで決め、選球眼を養った。新チームで挑んだ秋の大会は四球から好機につなげるゲームも目立った。 走塁では、スタートや、トップスピードに到達するまでの速さを実戦形式の練習で磨いている。ほとんどの選手が50メートル6秒台で走るが、吉田洸二監督は塁間の27メートルをいかに速く走れるかを重視し、鈴木、高橋らに期待を掛ける。 ◇投 主戦フォーム改善 投手陣では、エース榎谷(2年)は昨年夏以降、投球フォームを改善した。力をまっすぐ一方向に伝え、制球も良くするため、体が横に回転しがちだった投げ方を変えた。秋の関東大会では最速144キロを記録、防御率1・05は規定投球回数(30イニング)に達した全投手中7位の好成績だ。それでも「満足していない。夏までに148、149キロを投げたい」と上を見据える。 最速140キロで緩急を使い分ける山田(2年)や、伸びのある速球と変化球が持ち味の宮崎(1年)らを、強肩捕手として昨年夏から公式戦に出場し続ける経験豊富な佐仲(1年)が支える。 ◇守 秋9試合で失策5 守備陣は、新チーム発足後もポジションもメンバーも大きく変わらず、秋の公式戦は全9試合で失策を5にとどめ安定感を見せた。ベースを5~6メートル本塁に近づけ内野を小さくし、近い距離で重心を低くしながら捕球するなどの練習を重ね、確実性を高めている。内野の要は、1年生の夏から遊撃手としてレギュラー入りしている進藤(1年)。外野では右翼を守る星野(1年)は強肩で、俊足を生かし広い守備範囲を誇る。 ……………………………………………………………………………………………………… ◇2021年の秋季大会でのチーム成績 279打数114安打79打点(9試合) 打率.409 失策5 犠打飛26 盗塁12