もうすぐ年金受給開始年齢になります。「60歳、65歳、70歳、75歳」何歳からの年金受給が一番お得ですか?年金受給額を比較してみた
年金をもらうタイミングを考えるポイント
年金をいつから受け取るべきか考える際には、主に以下の点を考慮する必要があります。 ・寿命や健康状態 ・何歳まで働くか ●ポイント(1)寿命や健康状態 一つ目のポイントは、寿命や健康状態です。老齢年金は、受給を開始すると死亡するまで生涯受け取ることができるものです。 受け取る金額は、受給開始を早めた場合は減額された金額が、受給を遅めた場合は増額された額で変わることはありません。 そのため、自分が何歳まで受給をするかも考えて支給開始の年齢を決める必要があります。 自分の寿命を考えるのは難しいことですが、自身の健康状態や日本人の平均寿命などを考えて、リタイア後に「いつからいつまで」「どのくらい」の金額があれば生活をすることができそうかを考えて検討をしましょう。 参考までに、厚生労働省が公表している簡易生命表の結果によると、2023年時点での日本人の60歳からの平均余命は、男性で約24年、女性で約29年となっています。 ●ポイント(2)仕事の継続 二つ目のポイントは、何歳まで働き続けるかということです。 老齢年金は、給与など年金以外の収入が一定額を超える場合には受給を開始しても受け取ることができません。 それが在職老齢年金という制度で、年金額とその他収入の月額合計が50万円を超える場合には、調整が入って全額を受け取ることができなくなります。 そのため、まだ働く意欲があり、ある程度の収入が確保できるのであれば、受給を早めて年金額を減らすことは得策ではありません。 ただし、在職老齢年金の仕組みによりそもそも受け取れるはずではなかった部分の年金額は、たとえ受給を遅らせる申請をしたとしても増額されることはないので注意してください。 年金の受給開始を決める上では、今挙げたようなポイントを押さえて、自分自身の状況と照らして検討をすることが大切になります。 ●ポイント(3)年金にかかる税金 老齢年金の受け取り金額は「雑収入」として所得金額が計算されます。雑収入は、給与などの所得があればそれらと合算して算出され、合計の所得が所得税や住民税の課税対象になります。 所得税の税率は、所得額が高くなるほど高くなります。 そのため、受給を早めたことで収入と合算されて税率が高くなることや、受給を遅らせて受給額が増額した結果として税率が高くなることもあります。どのタイミングで受給を始めるかは税金の面でも検討が必要です。 ※年金収入から「雑所得金額」を算出する計算式は、年齢や収入金額によって異なります。