野菜ジュースで「1日分の野菜」が摂れるなら、野菜は食べなくていいですか? 高くて買えないので、できれば節約したいです…
バランスのよい食事をして健康を維持するためには、野菜の摂取は欠かせません。しかし野菜は価格が高い上に日持ちしないものが多く、気軽に買えないという人も多いことでしょう。 野菜ジュースの中には「1日分の野菜が摂(と)れる」とうたっている商品も販売されているため、「野菜ジュースを飲めば本物の野菜は食べなくてもよいのでは?」と思っている人もいるのではないでしょうか。栄養面で本当に野菜の代わりになるかどうか、本記事では、野菜と野菜ジュースの価格や栄養面について解説します。
野菜の摂取目標量と現状
「野菜を1日350g食べましょう」という標語を耳にしたことがある人も多いのではないでしょうか。 野菜にはカリウムや食物繊維、抗酸化ビタミンなどが含まれており、摂取することで循環器疾患やがんの予防が期待できます。厚生労働省が健康づくりの指標として定める「健康日本21」では、成人は1日あたり野菜を350g以上摂取することが望ましいとされており、この量の野菜を摂取することで、健康の維持に役立つ栄養素を十分に摂取できるということです。 しかし、令和元年国民健康・栄養調査の結果の概要によると、成人の野菜摂取量の平均値は約280.5gとなっています。350gの目標量に対し約8割の摂取量です。 目標量である350gを摂取できているのは男性で30.1%、女性で26.5%となっており、多くの人が摂取すべき目標量に及んでいないことがわかります。
野菜の年間支出額
2022年総務省統計局 家計調査(家計収支編)によると、単身世帯の「生鮮野菜」の年間の支出金額は2万9297円となっています。生鮮野菜とは加熱処理などされていない野菜のことで、キャベツやほうれんそうなどの葉茎菜、じゃがいもやたまねぎ、にんじんなどの根菜などが該当します。 現状、約8割の野菜摂取量であることから試算すると、目標量350gを達成するための「生鮮野菜」年間支出額は3万6621円です(2万9297円×1.25=3万6621円)。