今月末で退職します。今年はすでに130万円以上の収入がありますが、来月から夫の健康保険の扶養に入れますか?
健康保険の被扶養者と認定されるには
妻が夫の被扶養者として認定される主な要件は、妻の年間収入が130万円未満、かつ夫の年間収入の2分の1未満であることです。 A子さんは、今年に入ってからの収入が130万円を超えています。 ということは、「今年中は被扶養者として認められない?」と考えてしまいますが、健康保険で扶養の申請をする場合の年間収入の考え方は所得税の場合とは違います。1月から12月の収入ではなく、申請をする時点から1年間の収入見込みによって判断するのです。 A子さんは、今のところ退職後に再就職する予定がないので、予想される年間収入はゼロとなります。ですから、退職の翌月から夫の会社の健康保険の扶養に入ることはできると考えられます。ただし、退職後に雇用保険の失業給付を受けようと思う場合は注意が必要です。
雇用保険の失業給付
年間収入には、雇用保険の失業給付も入ります。給付額の合計が130万円に達しなくても、日額が3611円(130万円÷360=3611.11)を超えると、給付を受けている間は扶養に入ることができません。A子さんが失業給付を受ける場合、日額は3611円を超えます。 A子さんが退職後すぐに、夫の健康保険の扶養に入るケースを考えてみましょう。自己都合による退職の場合、失業給付の手続きをしても、給付を受けるまでには基本的に2ヶ月余りの待機期間があるので、その間は被扶養者になることができます。 しかし、給付が始まったら扶養から外れる手続きをしなければなりません。その時点から元の健康保険の任意継続はできないので、国民健康保険に加入することになるでしょう。そして、失業給付が終わってから再度、扶養の申請をすることになります。 数ヶ月の間に扶養に入ったり外れたりすることが予想される場合は、取りあえず退職後には加入していた健康保険に任意継続で加入し、失業給付期間終了後に任意継続をやめて、夫の健康保険の扶養に入るという選択もよいのではないでしょうか。