<下剋上で頂へ―’24センバツ・中央学院>第5部・支える/2 父や兄の夢かなえる 5人のマネジャー「選手の力に」 /千葉
中央学院の野球部OBだった父や兄に代わり「甲子園出場の夢をかなえよう」と同校で部員たちを支える女子マネジャーがいる。山本花奈さん(1年)と糠谷(ぬかや)実咲さん(2年)だ。 【写真で見る歓喜の瞬間】歴代のセンバツ覇者たち 山本さんの父将人さん(48)はOBで元プロ野球選手の古城茂幸さんと同級生。3年だった1993年夏の千葉大会準決勝で成田に敗れた。山本さんの4学年上の兄向輝さん(20)も父を追って入部し、3年だった2021年夏の千葉大会準決勝で木更津総合に敗退。2人ともあと一歩のところで、甲子園出場は果たせなかった。 高校に進学したら野球部マネジャーをやりたいと思っていた山本さんは中学生の頃、向輝さんが野球部の仲間と楽しそうに過ごす様子が写った卒業アルバムを見た。「中央学院に入って甲子園出場に貢献し、父と兄が果たせなかった夢をかなえたい」と思うようになった。 一方、糠谷さんは、2学年上の兄翔大(19)さんの影響で野球が好きになった。「中央学院で野球部に入った兄のそばで支えたい」と22年に入部。同年夏、翔大さんは背番号1のエースとして登板したが、千葉大会準々決勝で市船橋に3―5で敗れた。悔しがる兄を見て、甲子園出場の夢を自らかなえようと決意したという。 同校の女子マネジャーは5人。合宿や遠征には同行せず、今回、甲子園のベンチにも入らない。一方で、寮生活の部員たちの食事を用意したり、試合前にユニフォームに背番号を縫い付けたり「選手の力になりたい」とサポートしてきた。 練習試合のアナウンスや、野球部ホームページのブログの更新などにも挑戦している。1年の春に糠谷さんに誘われて野球部を見学し、入部した中村彩夏さん(2年)は元々、野球の知識はほとんどなかったが「監督やコーチらがいなくてもまじめに練習する姿にひかれました」と振り返った。また、谷口百々花さん(1年)は「甲子園が決まってからワクワクしています。みんな頑張ってほしい」と笑みを浮かべ、福田真央さん(2年)は「緊張で硬くならずに、全力で練習の成果を発揮してほしい」と思いを込めた。【林帆南】=つづく