「お礼は必ずお菓子を差し上げる」角刈りの63歳元事件記者が保育学科入学で自らに課した「野獣諸法度」の中身
■カスミソウのごとくひっそりと 一、目立たぬよう気配を消せ 高年齢、風体、目つき、肩の聳(そび)やかし方、左手をズボンのポケットに突っ込む歩き方などで入学早々から、ただでさえ悪目立ちしている。キャンパスライフを謳歌する主役は若い学生たちである。若い衆の邪魔にならぬよう、穏やかで明るく楽しい雰囲気を壊さぬようカスミソウのごとくひっそりと過ごします。 一、女子学生には「さん」付け、丁寧語で 姓名の「名」で呼び合うのは若者同士ゆえに許されると心得ます。同調は厳に慎む。求められもしないのに女子学生の懇談の輪に割って入らない。話す際には相手が年少者であろうとも「です」、「ます」の丁寧語で。全方位・等距離外交を貫き、孤高の紳士たれ。 「ずいずいずっころばし」や「ロンドン橋落ちた」などの手遊び、お遊戯演習で女子学生と手指や体の接触を余儀なくされる局面もあるでしょう。その場合は事前に「触れてもようございますか」と打診のうえ許可を得よ。 若い女性の名を親しげに呼び、にやけながら肩や手指に触れて毛嫌いされるおっさんをこれまでさんざん見てきました。そんな輩(やから)にきつくお灸を据えたこともあります。 相手を不快にさせるおそれのある言動はいっさい排除せよ。 助けていただいたり、お手間を取らせたりした場合は言葉でのお礼にとどめず、お菓子を必ず差し上げるべし。気持ちを形に。 一、男子学生は呼び捨て、敬語は不使用 性別で対応を異にするとは何事か。発想が古臭い。非難、誹(そし)りは覚悟のうえです。 男子には長幼の序を弁(わきま)えさせます。遠慮会釈ないコミュニケーションで、子どもや女性、お年寄り、障害のある人を何が何でも身を挺して守らねばならぬと伝えます。 諸君が早晩(そうばん)漕ぎ出る実社会は、優しさや理想論だけでは生き抜けません。少々のことではへこたれず、志を貫く準備を促したいのであります。 一、全局面で学生の範たれ 最年長の学生として、かつ社会の荒波にそれなりに揉まれてきた人生の先達として、すべての学生の範となるような行動を率先して行います。言動の基本姿勢は「弱きを助け、強きを挫く」とします。 一、全科目で最優秀評価獲得&無遅刻無欠席 大学時代の成績評価は「優」、「良」、「可」、「不可」の4段階でした。短大では優の上に「秀」が加わります。100点満点なら90点以上です。ピアノ実技をはじめ不安な科目がいくつかあるものの、新たな挑戦では目標を高く掲げ、大学時代に果たせなかったことに挑みます。