老齢年金の《額面》と《手取り》とは?「厚生年金と国民年金」みんなの平均はひと月いくらかチェック
【年金の盲点】老齢年金にも《額面》と《手取り》があった!
現役世代が毎月の給与から天引きされるお金があるように、シニア世代が受け取る老齢年金からも、税や社会保険料など天引きされるお金があります。 自治体や日本年金機構からの書類などでは「特別徴収」と記載されていますが、「天引き」というほうがピンとくるという人もいるでしょう。その内容を整理していきましょう。 ●個人住民税および森林環境税 一定の条件を満たす場合、前年中の所得に対して課税される住民税は年金からの天引きで納めます。(※非課税となる場合、納付義務は発生しません) また、2024年度からは新たに森林環境税(年額1000円)の徴収がスタート。公的年金の受給者の場合は、10月支給分の年金から徴収が始まっています。 ● 所得税および復興特別所得税 「雑所得」扱いとなる年金からは、所得税も天引きされます。 所得税とあわせて「東日本大震災からの復興のための施策を実施するために必要な財源の確保に関する特別措置法(平成23年法律117号)」により、復興特別所得税も課税されます。 ●3. 介護保険料 介護保険料は、64歳までは健康保険と合算で納付しますが、65歳以降は単体で納めます。年金支給額が年額18万円以上の場合、介護保険料は年金からの天引きとなります。 「要支援」「要介護」認定を受けて、介護サービスを利用し始めた後も、介護保険料は生涯にわたり納付義務がある点には注意が必要です。 ●4. 健康保険料・後期高齢者医療制度の保険料 国民健康保険や後期高齢者医療制度(※)の保険料についても、原則年金からの天引きとなります。 ここまでご紹介した、個人住民税、所得税および復興特別所得税、介護保険料、健康保険料といった税や社会保険料が、老後の年金からも天引きされるのです。よって、額面と振込額に差が出るケースの方が一般的だと言えます。 また、少子高齢化により、社会保障制度の支え手となる世代も減っています。介護保険料や健康保険料は今後負担が増えていく可能性は高いと言えるでしょう。これらは働き盛りの現役世代がいまから心得ておきたい点かもしれません。 ※後期高齢者医療制度:75歳以上のすべての人が加入対象。一定の障害がある人は65歳以上で加入できる