渋谷の街中、駅から10分の自然へ「日本で一番小さい植物園は、とてもやさしい場所でした」影山優佳
人を惹きつける“重力(GRAVITY)”に満ちた場所を俳優の影山優佳さんが巡る連載「NIPPON GRAVITY」。 【画像】朝に収穫したものを使っているというハーブティーにこの表情の影山さん。アザーカットをすべて写真でみる。 第2回の行き先は多くの人が行き交う街・渋谷。駅から10分ほど歩いた場所にある“日本一小さな植物園”「渋谷区ふれあい植物センター」を訪ねました。
日本一小さな「育てて、食べる、植物園」
渋谷区ふれあい植物センターの設立は2004年。主に渋谷区の可燃ごみの処理を担う渋谷清掃工場の還元施設として建てられました。“渋谷の庭”として親しまれてきた同館が新しく「栽培・収穫・消費」を体験できる植物園としてリニューアルしたのは2023年の7月29日のこと。 「『農と食の地域拠点』として生まれ変わりました。内装やデザインが変わっただけでなく、中の植物もコンセプトに合わせて入れ替えています。ここで育てられている植物は食べられるものにしているんです。そうすることで『農』と『食』の循環を来場者に感じてもらえる場所になればと考えています」 そう話すのは「渋谷区ふれあい植物センター」の園長の小倉 崇さん。さっそく園内を案内してくれました。温室へと入る前に、まずは入口に入ってすぐ、1FのBOTANICAL STAND(ボタニカルスタンド)へ。ここにも植物園のコンセプトを体現する仕掛けがたくさん詰まっています。
園の植物を使ったハーブティーが歓迎の挨拶
渋谷区ふれあい植物センターは入園料100円(未就学児は無料)。ボタニカルスタンドは無料で立ち寄ることができます。ここでは、有機野菜を使用した自慢のピッツァをテイクアウトできるほか、スペシャルティコーヒーやハーブティーなども提供しています。 「私、小さいころは香りにすごく敏感だったので、強い香りが苦手で。ハーブとか自然由来の繊細な香りでないとリラックスできなかったんです。今でこそ香水なども嗜むようになりましたが、植物の香りは変わらず癒やし。レモングラスは特に好きなハーブで、爽やかな、スッと鼻に抜けるような香りが大好きなんです」(影山さん) 「当園自慢のハーブを使ったフードはもちろん、農の拠点でもあるので、アーバンファーミングをはじめるにあたって欠かせないアイテムも販売しています。特にこのLFC(ローカルフードサイクリング)はおすすめですね。自分の生活から出たゴミをこうしてコンポストで再利用できるんです。伝統野菜や固定種と呼ばれる自家採種によるタネを扱う野口種苗さんのタネも小分けにして販売しています。たくさんの人が気軽に農に触れるきっかけになってほしいですね」(小倉さん) 「自宅のキッチンから出た廃棄物が、新しい植物の命になり、そしてまた次のサイクルへとつながっていく。小さな循環だけど、ちょっとした日常のアクションが未来をつくると考えると、尊いことに感じられますね」(影山さん)