“低栄養シニア”が増加!物価高による影響も…異変に気付くサインは?専門家が教える健康のキーワード「さあ にぎやかにいただく」
今年2024年7月に厚労省が発表した、2023年の国民生活基礎調査によると、「生活が苦しい」と感じている高齢者は全体の約6割にのぼり、前年から10ポイント以上も増加。過去最悪となりました。 【写真24枚】“低栄養シニア”が増加!異変に気付くサインは?専門家が解説 画像で見る さらに10月からは、追い打ちをかけるように、食品を中心に2900品目以上が値上げ。 より厳しくなっている家計の状況の中、懸念されているのが、“低栄養シニア”の増加です。
「買う気になれない」物価高で“栄養不足”に
物価高の影響や身体機能の衰えで小食になり、“栄養不足”になる高齢者たち…。 実際に、どんな食生活を送っているのか、「めざまし8」は、都内で1人暮らしをする小川新三郎さん(80)の自宅を訪問、普段の食事を見せてもらうことにしました。 ――きょうの献立はなんですか? 小川新三郎さん(80): 角煮、豚の角煮。あと納豆ですね。おいしい、これおいしい。 この日の晩ご飯は、1パック分の納豆をかけたご飯とコンビニで購入した豚の角煮。 食事を抜いたことはなく、朝昼晩よく食べるという小川さん。献立に野菜がないことについては…。 小川新三郎さん(80): トマト(の値段が)あんなにするのかと思って。前は3個で390円くらいだったのが、(きょう)490円した。買う気にならなかったね、あんまり高いと。 物価高の影響で、野菜は買う気にならなかったといいます。 普段は、レトルト食品やインスタント麺などを食べることが多く、食費は月々3万円前後だという小川さん。 在宅訪問管理栄養士の資格を持ち、高齢者の食事情に詳しい駒沢女子大学の工藤美香教授は、そんな小川さんの食生活を「全体的には不足している」と指摘します。 高齢者の食事情に詳しい 工藤美香教授: この方は三食食べようという姿勢は非常に良いと思います。しかし、朝と昼が炭水化物が中心の食事となっていて、夜に頑張って納豆と豚肉を補給しようと。ただ、全体的には不足しているのかなと思います。 これに足すなら、野菜や果物、乳製品などを足したいなと思いますが、あまり調理ができないということなので、トマトジュースやトマト缶、冷凍野菜などを追加すると良いのかなと思います。あとは、間食にヨーグルトとか、牛乳なんかを少し加えるともっと良くなるのではないかなと。 物価高により、肉や魚、さらに野菜や果物も高く、買い控えでタンパク質やミネラル・ビタミンが不足することで陥りがちな“低栄養”、加えて高齢者の単身世帯が増えていることも影響しているといいます。 国の調査によると、2021年には約3割の高齢者が単身世帯となっており、今後も増えていく見通しだといいます。 さらに、シニアならではの“懸念”もあるといいます。 ・体の機能の衰え 高齢になると自然に「小食」になっていき、口の機能(噛む・飲み込む力)が低下。柔らかい食べ物を好むように。結果として、ご飯・パン・麺などの炭水化物が増える。 消化吸収率悪く、消化機能は衰え、食事への関心薄く、食欲の低下も。 ・持病の進行で“低栄養”に 持病が進行し、体を動かさなくなり、結果小食になる。栄養が偏り持病が悪化、体力低下の悪循環に。