横田早紀江さん「助けてあげるの思いだけ」 めぐみさん拉致47年
新潟市の中学1年だった横田めぐみさんが北朝鮮に拉致されてから15日で47年となるのを前に、母の早紀江さん(88)が12日、自宅のある川崎市で記者会見した。救出に向けた交渉が進展しない状況に「どうにもならない気持ち」と落胆の思いを吐露しつつ、「助けてあげるんだという思いだけで家族は頑張っている」と訴えた。 【写真】めぐみさん1歳の誕生日 13歳だっためぐみさんは1977年11月、学校から帰る途中で拉致された。帰国を果たせないまま先月60歳の誕生日を迎えた。早紀江さんは「(拉致から)47年って口で言いたくないぐらいの長い間、何も見えない」と打ち明けた。さらに、これまで14人の首相に早期救出を要請してきたことをあげ「石破さんの代で生命を救うと第一に掲げて取り組んでいただきたい」と注文した。 トランプ次期米大統領については、早紀江さんら家族会のメンバーが過去に面会した時のことを「覚えていて下さっていると思う」とした上で、「真剣に動かれると思っています」と期待感を示した。 政府が認定している拉致被害者17人のうち帰国できていない人は12人。この12人の親のなかで存命なのは早紀江さんと有本恵子さんの父の明弘さん(96)の2人だけだ。早紀江さんの夫の滋さんも2020年、87歳で亡くなった。改めて国民に呼びかけたいことを問われた早紀江さんは「もし自分の家族が、やっと4歳まで育った、15歳まで育ったと本当に喜んでいる時に、煙のように消えちゃって、40年も放っておかれるということがご自身に起きたときにどう思われるのか。そのことをわかってください」と語った。(渡辺洋介)
朝日新聞社