ホワイトハウスが声明「尹大統領が憂慮すべき非常戒厳を解除し国会の投票を尊重したことに安堵」 ”大統領によるクーデター”韓国 45年ぶり「戒厳令」
きのう(3日)夜、韓国の尹錫悦大統領が緊急談話で、政党の活動などを禁止する戒厳令を発令しました。その後、国会に過半数の議員が集まることができ戒厳令の解除に向けた決議が可決され4日午前5時ごろに閣議で戒厳令は正式に解除となりました。 ある韓国メディアはこれは大統領によるクーデターだと伝えました。戒厳令は4日午前5時ごろ解除となりましたが、今も国会前には多くの市民が集まり、「尹大統領を弾劾せよ」と声をあげ続けています。 尹大統領はきのう夜緊急の談話を発表し、「野党が司法や行政をまひさせている」として、非常戒厳を発令しました。 集会やデモだけでなく、国会や政党を含めた政治活動を禁止したり、全てのメディアや出版社は検閲を受けるとする内容です。この発令自体45年ぶりとあって国民からは「何が起きたかわからない」という困惑が広がりました。
国会前には大量の警察と軍の特殊部隊まで投入され、国会内への侵入を阻もうとする議員側の関係者や、集まった市民と衝突し、一触即発の状態が続きました。その後、国会に過半数の議員が集まることができ、戒厳令の解除に向けた決議が可決されました。大統領は軍の撤収を指示し4日午前5時ごろ閣議で戒厳令は正式に解除となりました。 夫人をめぐる問題などで、20パーセント前後の支持率が続く中、八方ふさがりの政権がとった今回の奇策はほとんど理解を得られていません。与党代表ですらも早々に「これは違憲だ。違法だ」と反発していて、大統領の弾劾が現実味を帯びてきたとする見方も少なくありません。
尹大統領が非常戒厳を解除したことを受けてホワイトハウスは3日、「尹大統領が憂慮すべき非常戒厳を解除し、国会の投票を尊重したことに安堵している。民主主義は米韓同盟の礎であり、我々は今後も状況を注視していく」という声明を発表しました。
バイデン大統領 Q.韓国の非常戒厳について? 「それについて説明を受けたところだ。詳細はまだ聞いていない」 アフリカのアンゴラを訪問中のバイデン大統領は韓国の状況について説明を受けていると述べました。アメリカ国務省は今回の非常戒厳について、韓国政府からアメリカ政府に対して事前の通知はなかったとしています。 また、国防総省は在韓米軍の態勢に変更はないとしています。
テレビ朝日報道局