金正恩委員長、3000トン級新型護衛艦建造現場訪問 初公開…ロシア技術移転の可能性
北朝鮮が3000トン級新型護衛艦を建造中の場面を国営メディアを通じて30日、初めて公開した。今回公開された艦船は従来の1500トン級の護衛艦より規模が大きい。専門家らは垂直発射管(VLS)を装着した北朝鮮の最初の誘導ミサイル護衛艦となる可能性が高いと分析している。このため北朝鮮がロシアから関連技術の移転を受けた可能性にも言及されている。 北朝鮮国営朝鮮中央テレビは29日、年末の労働党全員会議拡大会議に関する報道で、北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長が護衛艦建造現場を訪問した写真を公開した。これは北朝鮮メディアが過去に公開したことがない内容であり、金正恩委員長は建造中の護衛艦の艦上で現地指導をする姿だった。北朝鮮がすでに公開した鴨緑(アムノク)級の護衛艦(1500トン)より規模が大きい点が目を引く。 朝鮮中央テレビは金正恩委員長の訪問時期・場所などは公開しなかった。ただ、金正恩が今年2月に現地指導した平安南道南浦(ナムポ)造船所で建造中の艦艇である可能性もある。金正恩委員長は「今日、海軍の武力強化が最も重大な問題」とし「労働党第8回大会が決定した各種艦船など建造事業を5カ年計画期間中に無条件に執行するべき」と指示した。 当時は新型護衛艦の外観は公開されなかったが、今回の報道は新しい艦艇建造がかなり進捗した傍証ともみられる。金正恩委員長が革ジャケットを着用している点から時期は10-11月と推定される。 統一研究院のホンミン研究委員は「外観だけではロシアのアドミラル・グリゴロヴィチ級(3600トン級)護衛艦と似た形態」とし「北がロシアと協力して核・ミサイルだけでなく海軍力など劣勢の通常戦力を大幅に強化する動きともみられる」と分析した。これに先立ち金正恩委員長は昨年9月6日の金君玉(キム・グンオク)英雄艦進水式の演説で海軍武装装備現代化構想を明らかにしたが、潜水艦・水上艦などロシアとの技術協力を念頭に置いたものとも考えられる。 特にロシアのアドミラル・グリゴロヴィチ級護衛艦はステルス型護衛艦であり、対空・対艦ミサイル用VLSを装着して対空防御能力を強化したのが特徴だ。 ロシアの軍事専門ブロガーも「公開された映像によると、北朝鮮がロシアのUKSK 3S-14または米国のMark41のような垂直発射管を護衛艦に設置するとみられる」とし「今回の艦艇が誘導ミサイルを備えた北朝鮮艦隊の最初の護衛艦になる可能性があるという意味」と解釈した。 ◆金正恩委員長、新浦養殖場を訪れて「歴史的偉業」 金正恩委員長は愛民指導者像を浮き彫りにするための年末の民生関連活動も継続した。30日の労働新聞によると、金正恩委員長は28日、新しく建設した咸鏡南道新浦市(シンポシ)の「新浦海辺養殖場」の竣工式に出席して演説をした。金委員長は「5カ月前まで松林の砂浜だったところが養殖事業所になった」とし「地方振興の歴史的偉業」と強調した。 新浦養殖場の建設は金委員長が自身の治績として協調する「地方発展20x10事業」の一環だ。金委員長が新浦養殖場を訪問したのは7月からの5カ月間で3回目となる。この日に開場した新浦養殖場の建物の外観には「偉大な金正恩同志革命思想万歳!」と書かれるなど、個人偶像化作業とも関係があるという指摘だ。 同時に新浦には潜水艦基地があるという点で、金委員長がここを非公式訪問するなど「多目的訪問」が行われた可能性も排除できない。 一方、23-27日に進行された労働党中央委員会全員会議拡大会議で新しく任命された金委員長の最側近、朴泰成(パク・テソン)新首相も公式活動を始めた。この日の朝鮮中央通信によると、朴泰成新首相はインドのシン前首相の死去を受け弔電を送った。