巨人V旅行、ハワイに到着 阿部監督が坂本勇人に常夏激アツエール「若い選手と張り合うぐらいの量」の練習求める
【ホノルル(米ハワイ州)10日(日本時間11日)=ペン・片岡優帆、水上智恵、カメラ・宮崎亮太】巨人の阿部慎之助監督(45)が優勝旅行先のハワイでスポーツ報知の取材に応じ、坂本勇人内野手(35)への思いを激白した。現役時代はオフにグアムで合同自主トレを行い、今季は打撃不振に苦しんだ後輩について「まだまだこれからでしょ」と完全復活を期待。そのために「若い選手と張り合うぐらいの量をやってほしい」と猛練習を求めた。 【写真】ホノルルに到着した阿部監督は笑顔でアロハポーズ JALチャーター便でハワイに到着した阿部監督は空港から直接ゴルフ場に移動した。そして温暖な気候の中、ゴルフを一緒に楽しんだ盟友・坂本を遠目に見つめながら、熱いエールを送った。 「まだまだこれからでしょって。まだまだこれからと思って自分がやるかどうかだけだからね。引いた瞬間に終わっちゃうから」 坂本はプロ18年目の今季、109試合で打率2割3分8厘、7本塁打、34打点。初めて三塁手として開幕を迎え、ゴールデン・グラブ賞に輝いたが、バットでは不本意な成績だった。14日が36歳の誕生日だが、まだ老け込む年齢ではない。現役時代、ともにチームを支えてきた阿部監督も復活を期待するからこそ言葉は熱を帯びた。 「自分でどれだけきつい練習をできるかだよね。キャンプとかでも。どれだけ追い込めるかどうか。チームのみんなにも言ったんだけど、けがしないようにじゃなくて、けがを恐れずやろうよと。けがしないようにって思っていたら、練習量は絶対に落ちるから」 球団は今オフ、FA宣言した阪神・大山の獲得レースに参戦した。残留となり巨人移籍は実現しなかったが、一、三塁を守れる強打者の補強に動いた事実は、坂本の三塁レギュラーが安泰ではないことを示している。「一年一年が勝負ですから」と受け止めて危機感を抱く坂本に対し、阿部監督は若手の模範となるような猛練習を求める。 「勇人はあの年で、量をやるのは慣れてるだろうから、とにかく若い選手と張り合うぐらいの量をやってほしいよね。そうしたら、若い選手はみんな『勇人さんがこれだけやってるんだから、自分たちはもっとやらないと』となって、いい相乗効果になると思うし」 阿部監督と坂本の間には長年、オフのグアム合同自主トレを行ってきた師弟関係がある。坂本はプロ通算2415安打とレジェンド級の実績を積み上げるが、指揮官の中では、もっとできるとの思いがある。 「後輩はすごい見ているから。自分が現役の時もそれはすごく感じた。自分は見られているんだと思ってやれるかどうかだよね」 投手では菅野が前年4勝から15勝とV字回復させてリーグ優勝に大貢献した。坂本もこのままでは終われない。大山が移籍しなかったことで三塁は中山らとの競争になるが、坂本が万全なら、阿部監督は文句なしでスターティングメンバーにその名を記すだろう。 後ろを振り返らず、前だけを見て突き進め―。坂本勇人への親心がたっぷり詰まった、常夏の島でのメッセージには、阿部監督の熱い思いが込められている。(片岡 優帆) ◆阿部監督と坂本の師弟関係 阿部が08年1月のグアム自主トレにプロ2年目を迎える坂本を連れて行き、師弟関係が開始。坂本は食トレや打撃の考え方を学び、同年にレギュラーに定着。15年に主将を継承した。阿部は19年に引退を表明し「ありがとう 慎之助」と銘打たれた同年9月27日のDeNA戦(東京D)でアベック弾。球団生え抜き右打者で初の40本塁打に到達した坂本は「僕の夢である40号を打てた日が、今日という日、そして阿部さんと一緒にホームランを打てたことが最高にうれしいし、感動です」とコメントした。
報知新聞社