帰国したバスケ男子日本代表の河村勇輝、パリオリンピックは「日本がもっと強くなる1つのきっかけになる」
「ワールドカップやオリンピックで、今回の悔しい思いを必ず晴らしたい」
河村は「パリ五輪出場」という大きな目標を達成するため、当時はまだ珍しかった大学中退を決断し、Bリーグに飛び込んだ。この決断について問われた河村は「いろんな人に迷惑をかけたので『決断してよかった』と強く思うことは正直ありません」と、一見意外な、しかしよく考えると非常に河村らしい考えをコメントし、そういった「迷惑をかけた」人々に報いるためにもパリ五輪を実現できたことに大きな達成感を感じていると続けた。 ただ、大学中退を決めた2年前から現在までの様々な経験を経て、気づけば河村の視座はさらに上がっていたようだ。「オリンピックに出場することだけでなく『ベスト8に入る』『世界に勝つ』とスタンダードが上がっていくことで、僕自身も日本バスケもより成長していくと思っています。だからこそ今回のオリンピックはもちろん満足していませんし、悔しいことばっかりだったなっていう風に思っています」 7月9日の横浜ビー・コルセアーズの記者会見によると、河村は帰国後は横浜BCの所属選手として各種活動を行い、グリズリーズとの契約締結後にアメリカに渡るという。今回が初めての海外挑戦、そして契約内容が最下位の『エグジビット10』であることを踏まえ、河村は新天地での新しいシーズンを、まずはGリーグで腕磨きをするシーズンと見定めているようだ。 「Gリーグでしっかりとアメリカでプレーできると証明できるように、毎日自分と向き合って過ごしていければいいなと思っています。もちろんワールドカップやオリンピックで、今回のパリで出た課題や悔しい思いを必ず晴らしたいという気持ちはあるので、そのために成長できる環境に身を置きながら、頑張っていきたいです」
文=青木美帆