帰国したバスケ男子日本代表の河村勇輝、パリオリンピックは「日本がもっと強くなる1つのきっかけになる」
「詰めの部分で本領を発揮するのがポイントガードの仕事」
8月5日、パリ五輪を戦っていた男子日本代表チームがフランスより帰国し、トム・ホーバスヘッドコーチ、渡邊雄太、河村勇輝が羽田空港にて記者会見に対応した。 1次リーグの3試合で29.7分出場、20.3得点、7.7アシストなどの平均スタッツを記録し、得点でグループ5位、アシストで2位に輝いた河村は、ホーバスジャパンが掲げるコンセプト『Shock the World』を最も体現した選手となった。 フランス戦ではケビン・デュラント、ルオル・デンに次いでオリンピックの1試合で25得点、5リバウンド、5アシスト以上を達成したプレーヤーとなり、これを報じたFIBAの公式Xに、160cmの上背でNBAで活躍したマグジー・ボーグスが反応。5日には今大会で輝いた新星を紹介するFIBAの特集記事で、グループBを代表して河村が紹介された。 記者会見の冒頭で、河村は大会の振り返りを次のようにコメントした。「ベスト8という目標を達成できなかったことに悔しい気持ちでいっぱいですし、 結果としては3連敗になってしまいましたが、日本のバスケットボールがどんなものなのか、どれだけ進化したかということは世界中に伝わったんじゃないかと思います。あとは結果を出すだけ。良いところもあれば、足りないところもあった大会でしたが、必ず日本がもっと強くなる1つのきっかけになると信じています」 前述のとおり、河村は日本のみならず世界を驚嘆させるパフォーマンスを発揮したが、常日頃「チームを勝たせなければ何も為していないのと同じ」という趣旨のストイックな言葉を発してきた彼にとっては、今大会の核心となる記憶にはならないだろう。 あと一歩で歴史的な勝利をつかみかけたフランス戦は、自身のディフェンスでフランスの同点シュートを呼び込んでしまった。決勝トーナメント進出がかかったブラジル戦では、河村だけの責任ではないにせよ、オフェンスの仕掛けが単調になってしまった。 「チームとしては世界の差は埋まってきていると思いますし、トムさんを信じてこれまでやってきたことは間違いなかったと、オリンピックを戦ってより感じました。そこで最後に勝ち切るためには何が必要なのか。それはリバウンドだったり、ディフェンスのカバーであったり、ゲームコントロールの部分だと思います。39分勝っていても残りの1分で勝ち切れなければ、それは負けと一緒。詰めの部分で本領を発揮するのがポイントガードの仕事だと思っているので、やっぱり自分自身が成長しないといけないと思いました」 河村はこのように手応えと反省を語り、3年後のカタールワールドカップ、4年後のロスアンゼルス五輪に向けて大切なことを「代表チームに関わる一人ひとりが、毎日、昨日の自分よりレベルアップするという気持ちを持って過ごすこと」と話し、「個人としてはアメリカに行くので、これまで日本でやってきたようには過ごせないかもしれないですが、そういうことも自分を成長させてくれるものだと思い、 自分と向き合って1日1日成長したいです」と語った。