「超加工食品」にはタバコ並みの依存性が? どのような健康被害があるか管理栄養士が解説
「料理をする時間がない」「お腹が満たされれば何でもいい」と、すぐにインスタント食品やポテトチップス、菓子パンなどに手を伸ばし、食べていませんか? これらの食品は「超加工食品」と呼ばれ、食べすぎると健康被害や依存性があると研究で報告されています。今回は、超加工食品と加工食品の違い、超加工食品の健康被害と、超加工食品を避ける方法について、管理栄養士の高木さんに解説していただきました。 【イラスト解説】寿命を縮める“身近な食べ物” [この記事は、Medical DOC医療アドバイザーにより医療情報の信憑性について確認後に公開しております]
超加工食品を摂取すると体にどんな健康被害があるの?
編集部: 菓子パンなどの超加工は体に悪いと聞いたことがあります。実際、どうなのでしょうか? 高木さん: ポテトチップスや菓子パン、インスタント食品などの超加工品は、体によくありません。具体的には、以下の健康被害が発生する可能性があると言われています。 ・死亡率が高くなる ・認知機能が低下する ・糖尿病やがんの発症のリスクが高くなる ・中毒性があり太りやすくなる 上記は、あくまで超加工食品と健康被害との関連性を示す研究結果にすぎませんが、超加工食品が体によくないのは間違いなさそうです。 編集部: なぜ超加工食品を摂取すると、認知機能が低下するのでしょうか? 高木さん: 毎日超加工食品を食べると、実行機能を司る脳の働きが悪くなることが報告されています。詳しい原因はまだ分かっていません。中年成人1万人以上を対象とした研究によると、1日の食事のうち超加工食品が摂取カロリーの20%以上を占める人は、10年後に認知機能の低下リスクが高まることがわかっています。また、研究によるとアメリカ人の摂取するカロリーの約60%が超加工食品から来ており、これが早期死亡や糖尿病、がんのリスクと関連していることが分かっています。毎日、超加工食品を摂取すると、認知機能が低下する可能性が高いということです。 編集部: 超加工食品は、高カロリーなイメージがあります。それで太りやすくなったり、糖尿病やがんになるリスクが高まったりするのでしょうか? 高木さん: 超加工食品は、栄養の欠点だけでなく、健康に害を及ぼす調理方法が使われていると言われています。超加工食品には多くのカロリーや脂質、糖分、塩分が含まれていますが、タンパク質やビタミン、ミネラル、食物繊維が不足しています。これにより、体の栄養バランスが崩れ、健康を守ることが難しくなり、結果として糖尿病や心臓病のリスクが高くなるのです。 編集部: がんのリスクが高まる原因についても教えてください。 高木さん: 加工食品の調理過程で発がん性物質であるアクリルアミドが生成されたり、多くの食品添加物ががんのリスクを高めたりするからです。超加工食品は手軽で美味しいため、満腹感が得にくく食べ過ぎが起こりやすいのです。その結果、依存性に似た状態を引き起こすことも指摘されています。つまり、毎日超加工食品を摂取すると、偏った栄養面や調理方法から健康被害のリスクが高まるのです。