年金受給世帯「年金だけで生活できない」約4割。70歳代夫婦世帯の「年金額」を一覧でチェック!生活費と貯蓄がカギに
【70歳代】厚生年金と国民年金は平均いくら?
厚生労働省年金局「令和4年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」より、厚生年金・国民年金の平均受給額を確認します。 まずは、2階建ての年金制度の2階部分となる厚生年金から。 なお、厚生年金の被保険者は第1号~第4号に区分されており(※)、ここでは民間企業などに勤めていた人が受け取る「厚生年金保険(第1号)」(以下記事内では「厚生年金」と表記)の年金月額を紹介します。 ※記事内で紹介する厚生年金保険(第1号)の年金月額には国民年金の月額部分も含まれています。 ※厚生年金の被保険者区分 第1号:下記第2号~第4号以外の、民間の事業所に使用される人 第2号:国家公務員共済組合の組合員 第3号:地方公務員共済組合の組合員 第4号:私立学校教職員共済制度の加入者 ●厚生年金の平均年金月額(受給権者全体) ・〈全体〉平均年金月額:14万3973円 ・〈男性〉平均年金月額:16万3875円 ・〈女性〉平均年金月額:10万4878円 ※国民年金部分を含む ●厚生年金の平均年金月額(70歳代限定) ・70歳:厚生年金14万1350円 ・71歳:厚生年金14万212円 ・72歳:厚生年金14万2013円 ・73歳:厚生年金14万5203円 ・74歳:厚生年金14万4865円 ・75歳:厚生年金14万4523円 ・76歳:厚生年金14万4407円 ・77歳:厚生年金14万6518円 ・78歳:厚生年金14万7166円 ・79歳:厚生年金14万8877円 厚生年金の平均年金月額は、受給権者全体14万3973円。73歳~79歳の平均年金月額は、この平均額を超えています。 ただし、現役時代の年金加入状況により実際に受け取る年金額には大きな個人差がある点は心得ておく必要があるでしょう。 次は1階部分の「国民年金」のみを受け取る場合の年金月額について見ていきます。 ●国民年金の平均年金月額(受給権者全体) 続いて国民年金も同様に確認します。 ・〈全体〉平均受給額(月額):5万6316円 ・〈男性〉平均受給額(月額):5万8798円 ・〈女性〉平均受給額(月額):5万4426円 ●国民年金の平均年金月額(70歳代限定) ・70歳:国民年金5万7320円 ・71歳:国民年金5万7294円 ・72歳:国民年金5万7092円 ・73歳:国民年金5万6945円 ・74歳:国民年金5万6852円 ・75歳:国民年金5万6659円 ・76歳:国民年金5万6453円 ・77歳:国民年金5万6017円 ・78歳:国民年金5万5981円 ・79歳:国民年金5万5652円 国民年金の平均月額は、受給権者全体、および70歳代のいずれの年齢でも5万円台となりました。 ●平均的な夫婦2人分の年金収入は? 夫婦ともに、男女の平均年金月額を受け取る場合、平均的な夫婦世帯の年金収入はどの程度になるのでしょうか。年金のパターンごとに整理してみましょう。 ・夫:厚生年金&妻:厚生年金=月額約27万円 ・夫:厚生年金&妻:国民年金=月額約22万円 ・夫:国民年金&妻:厚生年金=月額約16万円 ・夫:国民年金&妻:国民年金=月額約11万円 夫婦ともに現役時代は厚生年金に加入、かつ平均的な年金を受け取れる場合、世帯の年金収入はひと月約27万円です。 日頃の生活費だけではなく、年金から天引きされる税や社会保険料の存在も考慮しておく必要がありますので、十分なゆとりを感じにくい世帯もあるでしょう。 年金以外の収入がない場合は、貯蓄の取り崩しなどでカバーしていく必要が出てきますね。一般的に、老後は現役時代よりも少ない収入でやりくりしていく必要があります。そこで大切になるのが、家計管理のスキルですね。 収入と支出のバランスを意識したやりくりが、より一層求められるでしょう。そこで次では、標準的な老後の夫婦世帯の「ひと月の家計収支」の関するデータをのぞいてみます。