ヒジャブ着用新法施行せず イラン新法制定を事実上中止
テヘラン、イラン、12月19日 (AP) ― イランは、女性のスカーフ(ヒジャブ)着用義務に関する、より厳格な新法の施行プロセスを一時停止した。この法案は、2022年のマフサ・アミニさんの死後、イスラム共和国を巻き込んだ抗議活動を再燃させる可能性があると多くが危惧している。 2023年9月に国会で承認され、物議を醸しているこの法律が、予定通り今週政府に送られることはないとみられ、イランが同法の制定を事実上中止したことを意味する。 新法は、ヒジャブの着用を拒否する女性や、女性にサービスを提供する企業に対して、より厳しい処罰を科すもので、イランの改革派であるペゼシュキヤン大統領は、核開発問題でイランに課された制裁について欧米との協議を再開しようとしているため、以前はこの処罰を拒否していた。 アミニさんは、イランで頭髪をスカーフで適切に覆っていなかったとして道徳警察に逮捕され、2022年9月16日に死亡した。 イランはアミニさんの死に対する責任を否定。 しかし、国連調査団は、アミニさんは「肉体的暴力を受け、死に至った」として、道徳警察に責任があると結論付けた。 アミニさんの死後、数カ月におよぶ治安弾圧で500人以上が死亡、2万2000人以上が拘束された。 それ以降、イラン人女性はヒジャブ法を無視し、逮捕や嫌がらせの恐れがあるにもかかわらず、髪を隠さずに公の場を歩くことが多くなった。 (日本語翻訳・編集 アフロ)